popoのブログ

超短編(ショートショート)

きゅうり農家の一日

朝日が昇る前に、

きゅうり農家の田中さんはすでに起きていた。

田中さんは、畑に出て、きゅうりの様子をチェックする。

きゅうりは、朝晩の涼しい時間帯に成長するため、

田中さんは早起きして水やりや雑草取りを行う。

 

奥さんは、朝食の準備。

朝食は、ご飯、味噌汁、焼き魚、漬物など、シンプルな和食。

食卓には、昨日収穫したばかりの新鮮なきゅうりも並んでいる。

 

「いただきまーす!」

子どもたちの元気な声が聞こえてくる。

 

田中さんは、学校へ行く子供たちを見送り、

再び畑仕事に取り掛かる。

 

午前中は、きゅうりの収穫や枝切りを行う。

きゅうりは、成長が早いので、毎日収穫する。

また、枝切りを行うことで、

風通しを良くし、病害虫の発生を防ぐ。

 

田中さんは、慣れた手つきで、きゅうりを収穫して

収穫したきゅうりは、大きさや形によって、選別される。

選別されたきゅうりは、段ボール箱に入れられ、

午後には、出荷作業に入る。

 

出荷作業が終わると、畑の整備を行う。

土を耕したり、肥料を撒いたりすることで、

次のきゅうり栽培の準備をする。

 

日が暮れる頃、田中さんは、ようやく一日の仕事を終える。

田中さんは、家に帰ると、家族と夕食を囲む。

その食卓には、きゅうりの料理がいくつか並ぶ。

 

「おいしい!」

子どもたちの明るい声が聞こえてくる。

 

きゅうり農家の田中さん一家の一日は過ぎていく。

彼らは、毎日、きゅうりの栽培に精一杯努力し、

家族で協力しながら、生活をしている。

 

次の日

 

(今年もこの時期がやって来たか。)

 

田中さんはそう感じながら

取れたてのきゅうりに串を刺し、氷で冷やす。

 

子どもたちの帰宅を楽しみに待ちながら。

お香の香りに誘われて

雨上がりの静寂を破るように、

ほのかにお香の香りが漂ってきた。

思わず鼻をくすぐられ、

その香りに導かれるように古民家の中に入った。

 

土間の土の香りと、

木造の梁や柱が醸し出す温もりある空間。

窓からは緑豊かな庭が見え、

心が洗われるような景色が広がっている。

 

「いらっしゃいませ。さあどうぞ。」

奥の座敷に腰掛けると、湯気の立ち込める急須と、

色鮮やかな和菓子が用意された。

 

「ようこそいらっしゃいました。

お香の香りが届いたようですね。」

 

老人の言葉に、思わず顔を赤らめる。

恥ずかしさを隠すように、お香について尋ねてみる。

 

「お香は、古くから人々の心を癒すために使われてきたものです。

様々な香りには、それぞれ異なる効果があります。」

 

ラベンダーは心を落ち着かせ、

ローズマリーは集中力を高め、

柑橘系の香りは気分をリフレッシュさせる

効果があるという。

 

話を聞きながら、老人が勧めてくれたお香を焚いてみる。

すると、たちまち部屋中に心地よい香りが広がり、

心がスーッと軽くなるような感覚に包まれた。

 

老人は、お香の焚き方や選び方についても

丁寧に教えてくれた。

その知識の深さに、思わず感嘆の声を漏らしてしまう。

 

気が付くと、お香の香りと、老人の柔らかい表情に包まれて、

いつの間にか忘れていた安らぎを取り戻していた。

そしてきっと、この老人は

四季折々の自然と共存しながら、

心豊かに暮らしてきたのだろう。

 

日暮れとともに、私は帰ることにした。

老人は私に丁寧に挨拶し、見送ってくれた。

 

古民家を出て、私は振り返って見た。

夕暮れの光に照らされた古民家は、

さらに美しく輝いていた。

 

私はお香の香りに誘われて、本当に良かった。

そう思った。

おじいちゃんの店

小さな商店を営む実家。

俺はおじいちゃんの作る五平餅の香ばしい匂いに包まれて育った。

店の奥にある囲炉裏端で、炭火でじっくり焼かれる餅に、

甘辛いタレが絡み、「ジュッ」と音を立てる。

 

学生のお客がやって来た。

「おじいちゃん!一本お願いします。」

「おっ。大きくなったなぁ。いくつになった?」

「中2です!」

「ほお。もう中学生かぁ。あんな小っちゃかったのになぁ。」

ハハハ。と言葉を交わす。

 

俺は成長するにつれ、おじいちゃんの作る五平餅は、

地元の人々にとってなくてはならない存在なんだ。

と気付かされる。

素朴な味わいと、温かい笑顔で接するおじいちゃんは、

多くの人から愛されていた。

 

しかし、ある日、おじいちゃんが体調を崩した。

「おじいちゃん。もう店には立てないみたい。」

 

「おじいちゃん!嘘だよね?大丈夫だよね?」

「ははは。おじいちゃんは大丈夫だ。」

「ダメよ!お医者さんに無理するなって言われたでしょう。」

 

俺は家族に必死に説得を試みるが・・・

「ダメよ。おじいちゃんはもう長時間立っていられないんだから。」

「休ませてあげて。」

店は閉店することに決まった。

 

店を閉める日、

俺はおじいちゃんに最後のお願いをした。

「五平餅の作り方を教えて。」

おじいちゃんは優しい笑顔で、

「よし!やるか。」と、

ひとつひとつ丁寧に教えてくれた。

 

そんな、おじいちゃんの姿に、俺は決意する。

 

「おじいちゃん。俺、おじいちゃんの五平餅を作りたい。」

「この店を守っていきたいんだ。」

 

それから俺は、店を継ぎ、五平餅を作り始めた。

しかし、思うようにいかず、何度も失敗を繰り返した。

それでも俺は諦めない。

必死に、おじいちゃんの教えを思い出す。

 

「一本ください。」

 

「はい。どうぞ。ありがとうございました。」

 

「ここの味は変わらないですね。」

 

「大好きなんです。頑張ってください。」

 

俺にとっての最高の言葉だった。

 

おじいちゃんの温かい愛情と、情熱を込めた五平餅を

俺は今日も焼き続ける。

私の挑戦

 

42.195キロ。

長い、長い道のり。

初めてのフルマラソンに挑む私は、

スタートラインに立ち尽くしていた。

 

周りのランナーたちは皆、

自信に満ち溢れているように見える。

私は、不安でいっぱいだった。

 

ランニングを始めたのは、1年前のことだった。

運動不足解消のために始めた軽い気持ちだったが、

いつの間にかマラソンの魅力に取り憑かれていた。

そして、ついに念願のフルマラソン出場を果たした。

 

しかし、いざスタートラインに立つと、

私は圧倒されてしまった。

周りのランナーたちの速さ、熱気、

そして何よりも、42.195キロという果てしない距離。

「自分が本当に完走できるのだろうか」

不安で押しつぶされそうだった。

 

それでも、私は一歩踏み出した。

最初の数キロは、ゆっくりと自分のペースで走った。

周りのランナーたちにどんどん追い抜かれながらも、

私は諦めなかった。

 

10キロ地点を過ぎた頃だろうか。

私は最初の壁にぶつかった。

足が重くなり、息が上がってきた。

「もうダメかもしれない」

そう思った時だった。

「がんばれ!」「がんばれ!!」

沿道から声援が聞こえる。

私はその言葉に励まされる。

「諦めない!」

私は一歩ずつ前に進んだ。

 

20キロ地点を過ぎると、

私の足は棒のように重くなっていた。

それでも、私は諦めなかった。

「がんばれ!」という声援が私にチカラをくれる。

 

私は、ゴールテープが近づいていることを信じて、

走り続けた。

 

そしてついに、フィニッシュライン。

私は、よろよろと倒れ込みながら、

ゴールテープを切った。

5時間03分というタイムで、

私は初めてのフルマラソンを完走した。

 

ゴール後、私は達成感と感動で涙を流した。

42.195キロという長い道のりを

自分の力で走りきった。

私は、自分が思っていたよりも

ずっと強い人間だったのかもしれない。

 

初めてのフルマラソンは、

私にとってかけがえのない経験となった。

この経験を通して、私は自信と勇気を手に入れた。

そして、これからも何事にも諦めずに

挑戦していくことを決意した。

 

私は、これからも走り続ける。

そして、いつか自分の限界を超えて、

さらなる高みを目指そう。

 

私の挑戦はまだまだ続く。

永久欠番

永久欠番

優れた功績を残した競技者の栄誉として、

その人の使った背番号を、

永久に他の人が使わないようにすること。

とても名誉なことである。

 

ある時、

スポーツの世界に新しい仲間が加わった。

しかし彼だけが肌の色が違った。

 

周囲は暴力的なプレーをした。

人種差別的なヤジを飛ばした。

審判までも不当な判定を行った。

 

「黒い肌!黒い肌!」

そんなヤジを聞いた

彼は泣きながらこう言った。

 

「この黒い肌を白くすることさえできたら、

自分もみんなと一緒に扱われるんです。そうでしょう?」

 

その言葉に周囲は何も感じないはずがなかった。

 

しかし、急に差別がなくなるわけでもなかった。

 

「仕返ししない勇気を持つ」

 

これが彼の信条だった。

彼は怒ることなく常に紳士的であり続けた。

 

そして次第に周囲も変化して行った。

 

やがて彼はメジャーリーガーとなる。

 

当時の監督はこう言った。

「自分は選手の肌が黄色であろうと黒であろうと構わない。

自分はこのチームの監督である。

優秀な選手であれば使う。

もし自分に反対する者がいたら、チームを出て行ってほしい」

 

そして今、彼の付けた背番号は

永久欠番となっている。