popoのブログ

超短編(ショートショート)

あきない

商売はあきないという。

 

たくさんの人と出会い、

毎日、様々な話がある。

今日は何がある?

今日は何があった?

その、ひとつひとつの会話が

私にとって毎日を楽しくする。

だから「あきない」という。

 

そしてそのみんなは、笑顔を見せる。

時折起こる笑い声すら幸せに感じる。

だからこそ「笑売」という。

 

きっとそこを面白くないと思えば、

愚痴や不満が飛び交い、

あの店はダメだ。などと「傷売」となる。

 

それが続けば誰も寄り付かない。

そして迎える先は「消売」だ。

 

今、みんなが笑顔になる商売をしているのだろうか?

私は自問自答する。

 

「おはよう!」

その一言が大切で

「ありがとうございます!」

その一言が感謝だ。

 

私は立派な人間でもない。

だからといって最低な人間でもない。

 

この町に、ここの人に、

少しでも笑顔が増えればいいと思う。

 

それが私にとっての商売であり、

あきないなのだ。