朝日が部屋に差し込むと、
彼女は目を覚ました。
彼女はそっとベッドから起き、
窓辺に向かった。
街はまだ静かに眠っていた。
遠くに見える高層ビルは、
朝焼けの光に染まって輝いている。
空は薄っすらとピンク色に染まり、
夜明けの始まりを告げていた。
彼女は深呼吸をして、
新鮮な空気を胸いっぱいに吸い込んだ。
「ん〜っ!」
手をめいっぱい上にして背伸びをする。
そして、目を閉じて、
感謝の気持ちを心の中で呟いた。
「お父さん、お母さん、いつもありがとう。
私の夢を応援してくれて、背中を押してくれて、
本当に感謝しています。」
彼女は幼い頃から、
絵を描くことが大好きだった。
風景や動物、人物など、
様々なものを描き、
自分の世界を表現するのが
何よりの喜びだった。
しかし…
「絵描きになりたい!」
彼女は夢を家族に打ち明けると、
心配そうな顔でこう言われた。
「絵描きは大変な道だよ。
食べていくのは難しい。」
「ちゃんと働きなさい。」
彼女は思った。
大変なのはみんな一緒でしょ?
ちゃんとって何?
彼女は少し落ち込んだが、
夢を諦めることはなかった。
両親の心配を払拭するために、
もっと努力しようと決意した。
それから彼女は、
毎日絵の練習に励んだ。
美術大学に通い、
様々な技法を学んだ。
「がんばりなさい。」
あの時の心配な言葉じゃなく、
応援する言葉に変わっていた。
そして今ついに、
彼女は夢にまで見た
個展を開くことができた。
今日はその夢の初日。
彼女にとって、
個展は夢の実現だけではなく、
感謝の気持ちを伝える場でもあった。
夢を支えてくれた家族や友人、
そして先生たち。
「さあ。感謝の言葉を伝えに行こう!」
そう。
彼女はまだ夢の途中。
好きなことに
夢中になっている
素敵な女性。