popoのブログ

超短編(ショートショート)

監督から君たちへ

今日、わが校のこの夏は終わった。

 

みんな。お疲れさま。

勝負事である以上、勝ち負けはある。

悔しい気持ち、やり切った気持ち、

ひとりひとり思いは様々だろう。

 

でも、本当に大切なのは、

自分自身に勝てたのか?だ。

 

この2年と数か月、

君たちは本当によく頑張った。

 

私が、ある雨の日に、部室に着くと

君たちは将来の夢を語っていたな。

 

ある者は、消防士。

ある者は、大手企業。

ある者は、学校の先生。

そして、ある者は野球をやり続けると。

 

君たちが、

素晴らしい夢を持っていることに感動した。

そしてまた、夢に向かって頑張っているんだと

再確認させられた。

 

遊びたい日もあっただろう。

恋人との時間を欲しかっただろう。

勉強したかったものは少ないか。

 

君たちは、色々な犠牲を払ってきただろう。

 

しかし君たちはその代わりに

仲間という大切な財産を手に入れた。

努力という大切な資産を築いた。

 

そう。君たちは自分自身に勝ってきたのだ。

 

勝ったんだ。

誇りに思おう。

 

今日という日は終わりじゃない。

今日という日は始まりの日だ。

 

君たちは多くの人に感動を与えた。

誇らしいじゃないか。

素晴らしいじゃないか。

 

ありきたりな言葉かもしれない。

それでも君たちに、最後にひとこと言わせてくれ。

 

ありがとう!