18歳の夏、私は友人たちとレインボーブリッジの
見える公園に小さなテントを張った。
煌々と輝く東京の夜景を独り占めできる、
秘密基地のような場所だった。
その夜、私たちはギターを片手に歌い、
将来の夢について語り合った。
都会の喧騒から離れ、静寂に包まれた夜空の下、
互いの心の奥底にあるものを覗き込むような、
そんな特別な時間だった。
特に印象に残っているのは、友人の一人が話してくれた、
幼い頃のレインボーブリッジの思い出だ。
彼がまだ小さかった頃、家族でドライブ中に
初めてレインボーブリッジを渡ったとき、
その壮大な景色に息をのんだという。
大人になった今でも、あの時の感動を忘れないと言っていた。
彼の話を聞きながら、私も自分の未来について考えさせられた。
漠然とした不安や期待を抱えながらも、
あの夜、レインボーブリッジの下で友人たちと過ごした時間は、
私にとってかけがえのない宝物となった。
それから数年後、私は大学を卒業し、社会人になった。
都会の片隅で忙しく働く日々を送っていたある日、
ふとレインボーブリッジを眺める機会があった。
その瞬間、あの夏の夜、友人たちと過ごした日々が鮮やかに蘇ってきた。
あの時のように、未来への希望と不安が入り混じった複雑な感情がこみ上げてきた。
「何もかかわってないな」
私はそう言葉にしながらも、
以前より輝かしいレインボーブリッジを見つめていた。
あの日、語った将来の夢。
あの日、感じた未来への希望。
そう。なにも変わっていない。
そう思うと、私の不安は勇気に変わっていった。
私は深呼吸をし、再び未来に向かって歩き始めた。
レインボーブリッジは、私にとって単なる橋ではなく、
青春の象徴であり、未来への出発点なのだと気づかされた。