popoのブログ

超短編(ショートショート)

熊本ばってん下戸だモン

「おーい、皆集まっちょんね!」

 

熊本市の中心部にある古民家カフェ。

そこには、お酒が飲めない若者たちが集まっていた。

主催者は、にこやかに話しかける。

 

「今日は、皆で美味しいお茶を飲んだり、お菓子作ったりしような!」

 

参加者たちは、持ち寄ったお茶やお菓子を広げ、

和気あいあいと語り合う。

 

「わっ、この紅茶、めっちゃ香りがええね!」

「このお菓子、手作りなん? めっちゃ美味しい!」

 

普段はなかなか話す機会のない人同士も、

共通の趣味を通して距離が縮まっていく。

 

「実は私、お酒飲めんくていつもパーティーとか楽しめとったんよ。」

「そうなん? 俺も! みんなでワイワイするのも楽しいけど、こういう落ち着いた時間もいいね。」

 

参加者たちは、お酒が飲めないことで

感じていた孤独感を打ち明け合い、共感し合う。

 

「これからも、こんな会を続けていきたいね。」

「うん! 絶対楽しい!」

 

参加者たちの笑顔が、

古民家カフェいっぱいに広がっていった。

 

 

「これ、ノンアルとは思えんばい!見た目も味も本格的!」

 

おしゃれなバーカウンターには、

カラフルなノンアルコールカクテルが並んでいる。

 

「そうでしょ?このお店、ノンアルカクテルの種類が豊富でびっくりしたよ。」

 

「私も!お酒飲めないから、こういうお店があると嬉しいよね。」

 

「よっしゃー、今度は皆でノンアルコールカクテルを作ろうぜ!」

 

下町のバーでは、カクテルを片手に、

カウンター越しに会話したり、

隣の席の人と趣味の話で盛り上がったり。

お酒が飲めない人でも、バーで過ごす時間は、

大人な雰囲気が満喫できていた。

 

 

お酒が好きな人は「何や?飲めんとか?」

そう言うけれども、

お酒が飲めない人たちにとって、

お酒を飲みたくない人たちにとっても、

交流の場は常にあり、心の繋がる場所はある。

最近ではSNSやオンラインでの交流もある。

それに、「お酒ば飲めんちゃこん場はたいぎゃ好き!」

そんな私はここにいる。