popoのブログ

超短編(ショートショート)

宅配ピザが届く日

「ピンポーン!」

 

けたたましいチャイムの音に、

リビングでゲームに夢中だった少年はハッと顔を上げた。

心臓がドキドキと高鳴る。

そう。今日は待ちに待ったピザの日だ。

 

窓の外を覗き込む。

そこには、赤いバイクに乗ったピザの配達員の姿が。

大きなピザの箱を抱えているのが見える。

少年はソワソワしながら玄関に向かう。

 

「今、行きます!」

 

玄関のドアを開けると、そこには笑顔の配達員が立っていた。

大きなピザの箱が、美味しそうな香りを漂わせている。

 

「ご注文のピザですね。熱いですので、お気をつけください。」

 

「ありがとうございます!」

 

配達員からピザを受け取ると、

少年は両手でそっと箱を抱きしめた。

ずっしりとした重みに、期待感が高まる。

 

リビングに戻ると、テーブルの上には

事前に用意しておいた飲み物が並んでいた。

 

少年は急いで箱を開けると、そこには大きなマルゲリータが姿を現した。

 

トマトの赤いソース、とろけるチーズ、バジルの緑。

どれもが食欲をそそる。

我慢できずに、一口頬張ると、口の中に幸せがあふれた。

 

熱々のピザは、外はカリカリ、中はもちもち。

トマトの酸味とチーズのコクが絶妙にマッチしていて、本当に美味しい。

少年は夢中でピザを食べる。

 

あっという間にピザは完食。

お腹がいっぱいになった満足感と、少し名残惜しい気持ち。

少年は窓の外に目をやった。

当然、配達員のバイクはもうそこにはなかった。

 

今日一日の出来事を思い出しながら、

少年はゆっくりと息を吐き出した。

ピザを食べる時間は、少年にとって特別な時間。

それは単なる食事ではなく、一日のご褒美であり、

明日の活力となるものだった。

 

しばらくすると、お腹が鳴り始めた。

でも、それは決して後悔の鳴り声ではない。

むしろ、次のピザを待つ喜びに満ちた、幸福な音だった。

 

「次は何を頼もうかな~?」

 

少年は既に次のピザの日を考えていた。