リビングでくつろいでいると、スマホが震えた。
メッセージを開くと、父から届いていた。
いつものように「元気か?」という問いかけとともに、
今日は特別に、動物のキャラクターが
ハートを飛ばしているスタンプが添えられている。
そのスタンプを見た瞬間、思わず吹き出してしまった。
いつもクールな父が、こんな可愛らしいスタンプを使うなんて
想像もしていなかったからだ。
でも、同時に心の奥底から温かいものが広がっていくのを感じた。
子供の頃から、父は感情表現が苦手だった。
私が初めて部活を始めた時も、「がんばって」
私が受験に合格した時も、「良かったな」
私が上京した時も、「いってらっしゃい」
嬉しい時も悲しい時も、言葉で気持ちを伝えてくれることは少なかった。
だからこそ、このスタンプに込められた父の愛情が、
ひときわ大きく感じられた。
「元気だよー!ありがとう!」と返信すると、
すぐに「良かった!」という父からの返信が届いた。
この短いメッセージのやり取りの中で、
私は改めて父の愛を感じ、心が満たされた。
大人になった今でも、父はいつも
私のことを心配してくれているんだなと実感した。
今度は彼氏を連れて帰省しよう。
どんな顔するかな?
どんな言葉をかけてくれるかな?
ちょっぴり不安で
ちょっぴり楽しみ。
それでも父と会えるのが楽しみだ。