popoのブログ

超短編(ショートショート)

いい肉の日と家族

待ちに待った11月29日。いい肉の日。

今日はお友達と遊ばずにお家でお父さんの帰りを待つ。

 

カレンダーに大きく丸をつけた11月29日。

一年の中でも、今日という日だけは、

お父さんが高級なお肉を買ってきて、家族みんなで

焼肉パーティーをする日だ。

 

いつもより早くからキッチンからは美味しそうな匂いが漂ってくる。

お母さんが一生懸命、サラダを作っている。

その音、その姿が、僕の心を躍らせる。

 

今日はどんなお肉が食べられるんだろう?

期待に胸を膨らませながら、リビングのソファに腰掛ける。

 

ピンポン!

 

玄関から聞こえた音に、僕は飛び上がるようにしてリビングから飛び出した。

ドアを開けると、そこには大きな笑顔のお父さんが立っていた。

「ただいまー!ほら、買ってきたぞ!」

 

「おかえりなさい!」

 

僕は駆け寄ってお父さんに抱きついた。

お父さんの温かいハグに包まれ、今日一日の緊張が一気に解ける。

 

「さあ、みんなでご飯にしよう!」

 

食卓には、美味しそうなお肉が並ぶ。

お肉の色が鮮やかで、食欲をそそる。

他にもテーブルには僕が大好きなキムチ、サラダもたくさん並んでいる。

 

「いただきます!」

 

家族みんなで声を揃えて、ご飯を始めた。

 

ジュウぅぅぅ

 

僕の箸はフライング気味にお肉をつかむ。

口に入ったお肉は柔らかく、とろけるような食感。

 

「美味しいね!」

 

「お父さん、ありがとう!」

 

美味しいお肉。でもそれだけじゃない。

家族みんなで笑顔でご飯を食べる。

そのことが、僕の心を満たしてくれる。

 

普段なかなかゆっくり話す時間がないけれど、

今日は家族みんなでたくさんの話をする。

 

「もうお腹いっぱい!」

 

「たくさん食べたな。美味しかったか?」

 

「うん!また来年も楽しみ!」

 

その後、僕たちは、みんなでリビングに集まってテレビを見たり、

ゲームをしたりして楽しい時間を過ごした。

 

「今日は本当に楽しかったね!」

 

「また、みんなでパーティーしようね!」

 

布団に入る前に、お母さんと一緒に今日のことを振り返った。

 

「やっぱり、家族みんなで過ごす時間はいいね。」

 

お母さんの言葉に、僕は大きく頷いた。

 

いい肉の日、家族みんなで美味しいお肉を食べて、

楽しい時間を過ごすことができて、本当に幸せだった。

 

これからも、家族みんなでたくさんの楽しい思い出を作りたい。

幼い僕は、そう思った。