popoのブログ

超短編(ショートショート)

カレンダー

1月のページをめくると、そこには見慣れた街並みが雪化粧をしている。彼は、この写真を見ながら、君と初めて手を繋いだ日のことを思い出した。真っ白な世界の中で、君の赤いマフラーがひときわ輝いて見えた。

 

2月。バレンタインデーのページには、手作りチョコの甘い香りが漂ってくるようだ。不器用な手つきで作ったチョコをプレゼントした時の君の笑顔が、今でも忘れられない。

 

3月。桜の季節。満開の桜の下で、君と二人でお弁当を広げた。春の陽気に包まれながら、未来の話をしたね。

 

4月。新緑が目にまぶしい季節。君と初めて出会った場所、あの図書館に足を運んだ。懐かしい本の香りが、二人の時間を彩る。

 

5月。ゴールデンウィーク。遠出した海の見える丘で、君にプロポーズした。青い空の下、君が「はい」と言ってくれた時の感動は、一生忘れないだろう。

 

6月。梅雨の季節。雨音が心地よい部屋で、一緒に本を読んだ。君の肩にもたれて眠る君の姿は、僕の宝物。

 

7月。花火大会。夏の夜空を彩る花火は、まるで僕たちの未来のように輝いていた。

 

8月。夏休み。一緒に旅行した思い出の地。青い海、白い砂浜、そして君。

 

9月。涼しい風が吹き始める季節。新しい生活が始まった。少し寂しいような、嬉しいような、複雑な気持ち。

 

10月。紅葉が美しい季節。二人で手を繋ぎ、紅葉狩りに行った。

 

11月。肌寒くなってきた頃。温かい紅茶を飲みながら、ゆっくりと語り合った。

 

12月。クリスマス。イルミネーションが輝く街を歩いた。君と過ごす初めてのクリスマス。

 

一年が終わる。カレンダーをめくるたびに、二人の思い出が蘇る。君との日々は、まるで美しい物語を読んでいるようだ。

 

来年も、そしてその次の年も、君と一緒にこのカレンダーをめくりたい。そう心から願っている。