今年もクリスマスがやってきた。
イブのサンタクロースは、世界中の子供たちに
プレゼントを配るため、そりの準備で大忙し。
「よし、これで完璧だな!」
サンタクロースは、プレゼントの山を確認し、満足げに頷いた。
ところが、そりを走らせる時、
なんとプレゼントの山から大きなぬいぐるみが転がり出てきて、
そりに引っかかってしまった!
「あっ!」
慌ててぬいぐるみをどけようとしたサンタクロースは、
バランスを崩してそりから滑り落ちてしまう。
プレゼントの山にダイブしたサンタクロースは、
鼻を赤くして「くしゅん!」と大きくくしゃみをした。
「しまった、風邪を引いてしまったかも…」
サンタクロースは、熱が出て体がだるい。
でも、世界中の子供たちの笑顔のために、プレゼントを配らなければ。
熱を下げる薬を飲んで、何とか元気を出そうとしたが、
なかなか体調は回復しない。
「どうしよう…このままじゃプレゼントを配れない…」
そんな時、トナカイのルドルフが心配そうに
サンタクロースを見つめていた。
「サンタさん、無理しないでください。僕たちが手伝います!」
ルドルフの言葉に、サンタクロースは感動した。
トナカイたちは、サンタクロースの代わりにプレゼントを配ることを決意。
「でも、僕たちは人間の世界のことをよく知らないし、プレゼントを配る順番もわからないよ」
と、トナカイたちが心配そうに言うと、
サンタクロースは、大きな地図を広げて説明し始めた。
「みんな、それぞれの国や街の子供たちの名前と、欲しいプレゼントが書いてあるよ。これを頼りに、プレゼントを配ってほしいんだ」
トナカイたちは、サンタクロースの説明を聞き、
一生懸命にプレゼントを配り始めた。
最初は戸惑っていたトナカイたちも、だんだんと慣れてきて、
子供たちの寝顔、笑顔を見ると幸せでたまらなかった。
一方、サンタクロースは、暖炉の前で休んでいたのであった。
「みんな、頼もしいな…」
サンタクロースは、トナカイたちの活躍を心から喜んでいたのであった。
「こうしちゃいられない。」
そして、クリスマスの朝。
子供たちは、枕元に置かれたプレゼントを見て大喜び。
トナカイたちが一生懸命に配ってくれたプレゼントは、
子供たちの心を温めた。
サンタクロースは、少し遅れて
プレゼントを配り終えた子供たちのところへ現れた。
「メリークリスマス!みんな、プレゼントは気に入ったかな?」
サンタクロースの登場に、子供たちは歓声を上げた。
「サンタさん、ありがとう!」
子供たちの言葉に、サンタクロースは笑顔を見せた。
「いや。実は…」リンリンリン!!
何かを言おうとしたサンタクロースの
口をふさぐかのように、トナカイたちの鈴の音が鳴った。
サンタクロースは外で待つトナカイたちと目が合った。
そして頷く。
「みんなが喜んでくれてよかったよ。来年もまた会おうね!」
そう言って、
サンタクロースとトナカイたちは空へ飛び立った。
こうして、おっちょこちょいなサンタクロースは、
トナカイたちの助けを借りて、世界中の子供たちに笑顔を届えたのであった。