静まりかえった部屋に、柔らかな朝日が差し込む。
カーテンの隙間からこぼれ落ちる光が、眠る二人の顔を照らしていた。
「あ、もうこんな時間…」
女性が目を覚まし、横になっている男性の顔を優しく見つめる。
眠そうな目をこすりながら、男性もゆっくりと起き上がった。
「あけましておめでとう」
「おめでとう。素敵な朝だね」
二人は静かに抱き合い、昨日の夜中のカウントダウンの興奮が
まだ残っているような、温かい空気に包まれた。
窓の外には、美しい初日の出が昇り始めていた。
二人は急いで窓辺に駆け寄り、その絶景に見入った。
「すごいね、こんなに綺麗な朝焼け見たことない」
「一緒だから、いつもより特別に見えるのかも」
男性は微笑みながらそう言うと、女性の頬にそっとキスをした。
「ねぇ、お願いがあるんだけど」
「ん? 何?」
女性は少し照れながら、こう言った。
「あの丘の上で、一緒に初日の出を見よう」
「いいよ、もちろん」
二人は厚着をして、手をつなぎながら家の外へ出た。
冬の澄んだ空気の中、二人だけの足音が響く。
丘の上に着くと、そこからは町の全景が一望できた。
昇り始めたばかりの太陽が、空を朱色に染め上げている。
「きれい…」
思わず声が漏れる。
「本当にきれいだね」
男性は、女性を自分の腕の中に抱き寄せた。
「出会えて、本当に良かった」
「私もだよ」
二人は静かにキスを交わした。
それは、ただ感謝の気持ちと、
二人の未来への願いを込めた、静かで温かいキスだった。
しばらくの間、二人はただ静かに朝日を眺めていた。
この瞬間、二人は改めて、お互いの存在の大きさを実感した。
「今年も、たくさん楽しい思い出を作ろうね」
「うん、絶対」
二人は、これから作る二人の未来を
明るく楽しいものにするんだ。と心に誓った。