popoのブログ

超短編(ショートショート)

ニャーニャーニャー

寒い冬の日、ぼくは家のコタツの中で待っている。

暖かいコタツはほっこりするが孤独なものだ。

外はシンシンと雪が降り積もり、

冷たい風が窓を叩きつける。

「ニャーン…」と、小さく鳴いてみるが、

返事はなく、静寂が深まるばかり。

聞こえるのはコタツのヒーターの音。

タツの中は暖かく、まるで温かい腕に包まれているようだ。

そんな中、ぼくは楽しい日々を思い出していく。

暖かい日差しの中で、おもちゃを追いかけたり、

膝の上でお昼寝したり。

そして優しい笑顔、撫でてくれる温かい手の感触、

「いい子だね」という優しい声。

しかし、時間が経つにつれて、ぼくは寂しさを感じ始める。
「もしかして、今日は遅くなるのかな?」
「何かあったんじゃないだろか?」
そんな考えが頭をよぎり、落ち着かなくなる。

窓の外をじっと見つめ、飼い主の姿を探すが、

見えるのは降り続ける雪だけ。

その時、遠くから車の音が聞こえ、

玄関のドアが開く音がした。

待ちに待った帰宅。

ぼくは喜んでコタツから飛び出し、

玄関へと駆け出す。

「ニャー!ニャー!ニャー!」と、

嬉しさのあまり大きな声で鳴き、飛びつく。

「ただいま」

その瞬間、ぼくの心は温かい光で満たされ、

全ての寂しさや不安が消え去った。

「さあ!たくさん遊ぼうか!」