popoのブログ

超短編(ショートショート)

思い出のTシャツ

主人公の「私」と親友の「シュン」は、幼稚園からの幼馴染だ。

いつも一緒に笑い、時にケンカもしながら、かけがえのない時間を過ごしてきた。

しかし、卒業を機にシュンは遠くの街へ引っ越すことになり、

私たちは離れ離れになってしまう。

 

シュンとの別れが近づくにつれ、寂しさを募らせていた私。

何か形に残るものを贈りたいと考えた末に、

二人の思い出を詰め込んだオリジナルのTシャツを作ることを思いつく。

 

桜のつぼみが膨らみ始めた3月。

卒業式まであとわずか。

私、サクラと親友のシュンは、

小学校の校庭の隅にあるベンチに並んで座り、

物憂げな表情で空を見上げていた。

 

「とうとう、この日が来ちゃうんだね。」

 

シュンがぽつりと呟いた。

 

「うん…」

 

私も小さく頷く。

私たちは、幼稚園からの幼馴染だ。

いつも一緒に笑い、時にケンカもしながら、

かけがえのない時間を過ごしてきた。

でも、卒業を機にシュンは遠くの街へ引っ越すことになり、

私たちは離れ離れになってしまう。

 

シュンとの別れが近づくにつれ、

胸が締め付けられるような寂しさが込み上げてきた。

何か形に残るものを贈りたい。

そう考えた私は、シュンとの思い出を詰め込んだ

オリジナルのTシャツを作ることを思いついた。

 

早速、デザインに取り掛かる。

シュンとの思い出の写真をたくさん集め、

手描きのイラストを添えて、コラージュしていく。

デザインに悩みながらも、シュンとの思い出を振り返る時間は、

私たちの大切な宝物を確認する時間でもあった。

 

そして数日後、ついにTシャツが完成した。

胸には、二人の笑顔が並び、背中には、思い出の場所と

「ずっと友達」というメッセージがプリントされている。

 

卒業式の後、私はシュンを人気のない校舎裏に呼び出した。

 

「シュン。卒業おめでとう。はい、これ。」

 

少し照れながら、私はTシャツをシュンに手渡した。

シュンは目を丸くしてTシャツを受け取り、ゆっくりと広げた。

そして、Tシャツにプリントされた私たちの写真や

メッセージを見た瞬間、瞳を潤ませ、私の顔を見た。

 

「サクラ…ありがとう…」

 

シュンは震える声でそう言うと、私を強く抱きしめた。

 

「シュン…」

 

私もシュンの背中に腕を回し、目を閉じた。

 

「離れていても、ずっと友達だよ。」

 

シュンが私の耳元で囁いた。

 

「うん…!ずっと、ずっとだよ!」

 

私もそう答えた。

 

私たちは、しばらくそうして抱きしめ合っていた。