popoのブログ

超短編(ショートショート)

サンドイッチ専門店

商店街の一角に、ひっそりと佇む

小さなサンドイッチ専門店「サンドイッチの樹」。

店主の中島樹は、昔ながらの商店街に新たな風を吹き込みたいと、

長年勤めた会社を辞め、念願の店をオープンさせた。

 

「サンドイッチは、無限の可能性を秘めた料理だ」

 

樹は、そう語る。

 

幼い頃、母親が作ってくれたサンドイッチ。

それは、食パンにハムとチーズを挟んだだけの

シンプルなものだったが、樹にとっては最高の味だった。

 

「いつか、自分が作ったサンドイッチで、たくさんの人を笑顔にしたい」

 

そんな想いを胸に、樹はサンドイッチ作りの腕を磨いてきた。

 

「サンドイッチの樹」では、

定番のハムやチーズを使ったサンドイッチはもちろん、

旬の野菜や果物を使った創作サンドイッチも人気だ。

 

「お客様に、常に新しい発見と喜びを提供したい」

 

樹は、その一心で日々サンドイッチ作りに励んでいる。

 

ある日、一人の女性が店を訪れた。

彼女は、疲れきった様子で、いつもの笑顔がなかった。

 

樹は、彼女のために、特別なサンドイッチを作ることにした。

 

それは、彼女がいつも買うイチゴをたっぷり使った、

彩り豊かなサンドイッチだった。

 

店内のカフェスペースに腰掛けた彼女は、

サンドイッチを一口食べた。

 

彼女は、目を丸くして言った。

 

「こんなに美味しいサンドイッチ、初めてです!」

 

彼女の顔に、笑顔が戻った瞬間だった。

 

「お客様の笑顔が、僕の何よりの喜びなんです」

 

樹は、そう語る。

 

「サンドイッチの樹」は、

樹の想いと情熱が詰まった、温かい場所。

 

今日も、樹はサンドイッチに想いを込め、

訪れる人たちを笑顔にしている。

 

「いらっしゃいませ」という笑顔と共に。