popoのブログ

超短編(ショートショート)

恋の迷宮

舞台は都心の一角にある、

隠れ家のようなカフェ「恋の迷宮」。

 

「またダメだった…」

 

あなたは、婚活パーティーからの帰り道、深い溜息をついた。

隣を歩くサヤカは、いつものように冷静な口調で言った。

 

「まだ始まったばかりよ。焦らず、戦略を練り直しましょ」

 

その言葉に、あなたは藁にもすがる思いで頷いた。

 

数日後、三人は「恋の迷宮」に集まった。

薄暗い照明、アンティーク調の家具、

そして壁一面に飾られた恋愛映画のポスター。

そこは、まさに「恋の迷宮」という名にふさわしい、

不思議な空間だった。

 

「まずは、現状分析から始めましょう」

 

サヤカは、真っ白なノートとペンを取り出した。

あなたは、これまでの婚活で感じたこと、

理想のパートナー像、そして過去の恋愛経験を正直に話した。

 

ケンジは、時折冗談を交えながらも、

核心をつく質問を投げかけてきた。

 

「理想が高すぎない?もっと現実を見ないと、一生迷宮から出られないぞ」

 

その言葉に、あなたはドキリとした。

 

サヤカは、あなたの話をまとめ、ノートに書き込んでいった。

 

「理想のパートナー像は、具体的にイメージすることが大切。でも、完璧を求めすぎると、誰も当てはまらなくなってしまうわ」

 

「次に、具体的な戦略を立てましょう」

 

サヤカは、様々な婚活方法を比較検討し、

それぞれのメリット・デメリットを説明した。

 

「結婚相談所は、プロのアドバイザーがサポートしてくれるから、効率的に相手を探せるわ。でも、費用が高いのがネックね。マッチングアプリは、手軽に始められるけど、相手を見極めるのが難しいわ」

 

あなたは、それぞれの方法について真剣に考えた。

 

ケンジは、独自の視点からアドバイスを送る。

 

「もっと自分をアピールした方がいい。内面は最高なんだから、外見も磨けば、鬼に金棒だ」

 

あなたは、ケンジの言葉に勇気づけられた。

 

「最後に、今日からできることを決めましょう」

 

サヤカは、具体的なアクションプランを作成し、スケジュールを立てた。

 

「まずは、マッチングアプリに登録してみましょう。プロフィール写真は、笑顔で、清潔感のあるものを選ぶこと。自己PRは、短く、分かりやすく、ユーモアを交えて」

 

あなたは、サヤカの指示に従い、

その場でマッチングアプリに登録した。

 

ケンジは、あなたの背中を力強く叩いた。

 

「頑張れよ!お前なら、必ず理想のパートナーを見つけられる!」

 

「恋の迷宮」を出たあなたは、

心なしか足取りが軽くなっていた。

 

「私、きっと、理想のパートナーを見つける!」

 

あなたは、心の中でそう叫んだ。

 

その日から、あなたは積極的に婚活に取り組んだ。

サヤカとケンジのサポートを受けながら、

様々な出会いを経験し、少しずつ成長していった。

 

そして、ついに…。

 

あなたは、理想の王子様と出会い、

永遠の愛を誓うのだった。