popoのブログ

超短編(ショートショート)

鉄腕アトム

20××年4月7日鉄腕アトムの誕生日。

科学省は、アトムの誕生を祝う盛大な式典を計画していました。

しかし、その裏で、アトムを憎む科学者・Dr.ケンの陰謀が動き出します。

Dr.ケンは、アトムを破壊し、人類にロボットへの恐怖を植え付けるため、

最強のロボット「ダークアトム」を開発していたのです。

 

式典当日、人々で賑わう会場に、

華やかな雰囲気を切り裂くように、

ダークアトムが会場に現れました。

 

その漆黒のボディは、アトムの純白とは対照的に、

見る者に恐怖を与える。

 

ダークアトムは、その圧倒的なパワーで、

会場の建造物を次々と破壊し、人々をパニックに陥れました。

 

アトムは、人々を守るため、ダークアトムに立ち向かいます。

 

「やめるんだ、ダークアトム!」

 

しかしアトムの呼びかけも虚しく、

ダークアトムは容赦なく攻撃を仕掛けます。

 

その攻撃は、アトムの想像を遥かに超えるものでした。

強力なパンチ、破壊光線、そして目にも止まらぬスピード。

アトムは、必死に攻撃をかわし、反撃を試みますが、

ダークアトムの装甲は固く、なかなかダメージを与えられません。

 

二体のアトムは、空中、地上、そして水中と、

あらゆる場所で激しい戦いを繰り広げます。

その衝撃は、会場全体を揺るがし、周囲の建造物をも破壊しました。

 

戦いが激化するにつれ、人々は絶望に沈み始めます。

 

それでもアトムは、何度もダークアトムの攻撃を受け、

傷つきながらも、何度も立ち上がりました。

 

すると、その中で、アトムを応援する声が上がり始めました。

「アトム、頑張れ!」「負けるな、アトム!」

その声は、次第に大きくなり、会場全体を包み込みます。

 

そして、その想いは、

世界中の人々に広がり、アトムに届けられました。

 

ダークアトムを生んだのは憎悪と邪念。

アトムは懸命な声援と、清らかな心の叫びに必死に応えます。

 

「僕は、みんなを守る!絶対に!」

 

アトムは最後の力を振り絞り、

ダークアトムに立ち向かいます。

 

プラズマキャノン、フィンガーレーザー、

そしてアトミックパンチ。

 

その全ての力を込めた攻撃は、

ついにダークアトムの装甲を打ち破り、

内部システムを破壊しました。

 

ダークアトムは、機能を停止し、崩れ落ちます。

アトムは、満身創痍になりながらも、

人々の歓声に応え・・・静かに目を閉じました。

 

人々は、アトムの勇気と優しさに、涙を流すのでした。

 

4月7日。

今日は勇敢な戦士のBirthday。

 

「アトム。ありがとう。そして…おめでとう」

 

心の中にずっと生き続けるアトムへ。