popoのブログ

超短編(ショートショート)

見つかったもの!

 

私はクラスメイトとの付き合いが苦手だった。

話しかけられても、なぜか言葉が出てこない。

次第に、誰も私に声を掛けなくなった。

すると今度、私は学校に行くのが怖くなった。

 

そんな私はひとつのゲームにハマっていた。

歩いているとスマホに現れる動物たち。

それを指で操作して捕まえる。

私は歩くたびに増える動物たちに愛着をもった。

 

同じキャラクターが現れると

「またかぁ」と落ち込み。

違うキャラクターが現れると

「やったー!」と心が踊った。

 

私はスマホのゲームと会話する日々を過ごしていた。

 

このゲームはとても人気があり、

この場所に、この動物が現れた!

という情報が多く出ていた。

 

(あっ!)

 

その情報の中に、めったに現れることのない

超レアな動物が現れた!と書き込みがあった。

しかも私の地元だった。

 

私は急いで目的地の公園に向かった。

(はあ。はあ。)

到着したものの、この公園はとても広い。

(どこだろう?)

(早く出てきて・・・)

と公園内を歩き回る。

 

(あっ!)

 

現れたのは

スマホに動物・・・じゃなく

同じ公園に、クラスメイトだった。

 

「ねぇ!もしかして、ゲームやってる?」

「あの動物探しに来たの!?」

と、クラスメイトは私に話しかける。

 

「うん!」

 

なぜかわからないが自然と言葉が出た。

 

「じゃあさ!一緒に探そう!」

 

「うん!!」

 

私たちはそれから数十分ほど歩いて

やっとの思いで動物を捕まえた。

 

それからというもの、

私たちは二人でよく出かけるようになった。

 

私は、このゲームのおかげで

毎日外出することが出来た。

私は、このゲームのおかげで

初めて友達が出来た。

 

「おはよう!」

 

私は、今日も元気に学校に来ている。

 

朝のリビング

「いただきまーす!」

 

子どもたちの元気な声が

朝の我が家のリビングに響く。

 

キャハハハ

「お兄ちゃん、顔にごはんがくっついてる!」

「ほら…もっとゆっくり食べなさい。」

「ああ!おれ今週掃除当番だ。」

「ぼくは先週終わったからね〜。」

 

この子たちは、この子たちなりに

(一日の準備してるんだなあ)

 

「おはよう!」

「パパおそい〜!」

「わるいわるい。おはよ。」

とスーツを着た父親は子どもの頭を

ポンっとなでる。

 

「ほら。ゆっくり食べろよ。

 ごはんが顔についてるぞ。」

 

父親の言葉に兄が弟の顔見て

ニヤリと笑う。

 

「ママ!おかわり!」

「あっ。おれも!」

「おっ。今日は朝からいっぱい食べるなぁ。」

「だって休みだったから、

 今日は学校でいっぱい遊ぶんだ!」

ハハハ

「そうか。でも学校は

 遊ぶんじゃなくて、勉強するんだぞ。」

「え〜!やだ!」

キャハハハ

 

今日の我が家のリビングは

朝から賑やかだ。

 

「はい。ごはん。それと…」

「あ!キムチだ!」

おかわりしたご飯の上には、

キムチがのっていた。

「ぼく!キムチ大好き!」

子どもたちは、母親から奪うように

ごはんを受け取り、口へかけ込む。

 

「おいしい!!」

 

その笑顔が、とても癒される時間と

とても美しい光景を我が家にもたらしてくれる。

 

さあ!今週も頑張るぞ!!

一杯のビール

金曜日、満員電車を降りた瞬間に、

重たい荷物が肩にのしかかるように感じた。

一週間の疲れが一気に押し寄せてくる。

家にたどり着き、ようやく

解放されたような気持ちになる。

冷蔵庫から取り出したのは、

キンキンに冷えたビール。

「ああ~つかれたぁ」

一口飲むと、苦味と同時に

爽快感が口いっぱいに広がる。

仕事のストレスが溶け出すような感覚だ。

テレビをつけ、何も考えずにただビールを味わう。

至福のひとときだ。

 

休日は、朝から家族サービスに奮闘。

公園で子供と遊んだり、

買い物に行ったり、家事の手伝いをしたり。

充実した一日を過ごす

一方で、疲労も蓄積していく。

「おつかれさま。」

そんな時、妻が差し出してくれた、一杯のビール。

その優しさに心が温まる。

「ぱぱ!おひげの泡やって」

家族との団らんを楽しみながら、

ビールをゆっくりと味わう。

幸せな時間を過ごせるのは、

家族のおかげだと

改めて感謝の気持ちを抱く。

 

日曜日の夜、明日からの仕事のことを考えると、

少し憂鬱な気持ちになる。

そんな時、自分に言い聞かせるように、

冷蔵庫からビールを取り出す。

「よし!がんばるか」

明日への活力となるように、

ゆっくりと味わう。

苦味を感じながらも、

どこか前向きな気持ちになれる。

明日からも頑張ろうという決意が、

胸の中に生まれてくる。

 

同じ一杯のビール。

でも体調や環境、想いによって、味わいは全く違う。

疲れた時には癒しを与え、

家族との団らんをより楽しくし、

明日への活力をくれる。

 

皆さんは、どんな時にビールを飲みますか?

どんな想いを込めて、ビールを味わいますか?

 

それは、人生の喜びと苦楽を

象徴するものでもあるのかもしれません。

残された記録

ある二人の男性がこの町にいた。

 

ひとりは、この町で愛されるパン屋の店主A氏。

元気で明るい性格。近所の人からも慕われている。

もうひとりは、小さな工場で働くB氏。

普段から静かで、口数も少なく、おとなしい。

 

ある日、A氏とB氏は偶然同じ場所で強盗事件に遭遇する。

A氏は体が震え、ただ犯人の言う通り指示に従った。

一方、B氏は犯人が凶器を持ち出しても怯むことなく、

果敢に立ち向かっていく。

激しい格闘の末、B氏は犯人を取り押さえた。

その後、駆け付けた警察は犯人を確保した。

警察は「よく耐えましたね。ありがとうございます。」

とA氏の方を見て言った。

 

事件後、A氏は町中の英雄となった。

犯人の指示に抵抗せずに従って動いた。

という勇敢な行動が称賛されたのだ。

一方、B氏の活躍は知られることなく、

事件の影に隠れてしまった。

 

B氏は何も言わなかった。

 

二人には共通する過去があった。

それはまだ若い頃、暴力事件を起こしていた。

 

A氏は恰幅もよく、喧嘩が強かった。

そのことから自然と威張っていた。

B氏は正義感は強いが、不器用で

相手が誰であろうと、行動に出るタイプだった。

 

そんな二人はそれぞれ暴力事件を起こし

数年の刑務所暮らしとなった。

 

刑期を終えたA氏は蓄えた貯金もあり

違う町でパン屋という商売を始めた。

成長したA氏は、生意気だった部分がなくなり

明るい声と、笑顔で人気の店主となった。

 

一方、刑期を終えたB氏は相変わらず無口で、

不愛想な人柄だった。

彼はまた同じ町の、小さな工場で働いた。

 

強盗事件が起きた時の様子が防犯カメラに

音声と映像で残されていた。

 

犯人「おい!誰でもいい!早くこの袋に入れろ!」

 

居合わせた従業員やほかの客は、

みな恐怖で動けなかった。

 

A氏「早く渡して出ていってもらおう。」

A氏「なんだよ。このままじゃ。大事になっちゃうだろう。

   俺は警察沙汰はご免なんだよ。」

A氏「おい。そこのおまえ。行けよ。」

B氏「・・・・・」

A氏「なんだよ。もう。もういいや。早く帰ってもらおう。」

犯人「おい!さっさとしろ!」

A氏「私やります!はい。今入れます。」

犯人「他の奴は壁向いてろ!」

 

A氏が動いたことで、B氏と犯人の間に死角が出来た。

B氏はその瞬間を見逃さなかった。

素早く動いて犯人の手をつかんだ。

揉み合いになりながらも、取り押さえた。

そしてその後、警察がやって来た。

 

客「ねぇ。あの人。何年か前に暴力事件起こした人でしょ。」

従業員「悪い人がいて助かったわね。」

客「Aさん。あなたが動いてくれて助かったわ。」

A氏「いやぁ。あのままじゃ皆さんに危険が。」

警察「よく耐えましたね。ありがとうございます。」

行ってきます!

僕は今日大切な時を迎える。

 

「ボード行こう」

「カラオケ行こう」

「飲み会行こう」

 

どれも行きたかった

 

その気持ちを抑えて

僕は勉強に時間を費やした。

どれだけやっても不安だった。

ここが出題されなかったら、意味がない。

そんな不安にもかられた。

でも出題されるかもしれない。

やるしかなかった。

 

勉強をした自信はある。

それでも受かるとは限らない。

この気持ちは今までにないものだ。

ある日から不安がいっぱいで

勉強が頭に入らなくなった。

その度に「集中だ!集中しろ!」と

自分に言い聞かせた。

ペンを動かすことが

僕の余分な思いを忘れさせてくれた。

 

やるだけやった。

 

やるだけやったんだ。

 

僕は今、リュックを背負い家を出る。

 

待って!と母の声がした。

 

なんて顔してるの。

頑張ってたのをお母さんは知ってるから!

あなたはよく頑張った。

 

もっとリラックスしなさい!

 

パン!と僕の背中を叩いた。

 

その瞬間、自然と笑顔になった。

 

そうだ!やるだけやったんだ!

 

ふぅ。っと深呼吸をする。

 

お母さん!行ってくるね!

 

いってらっしゃい!

今日はあなたの好きなハンバーグ作って待ってるから!

がんばれ!受験生!

 

と最高の笑顔で手を振った。