2023-01-01から1年間の記事一覧
5月から始めて 「少しでも多くの方に読んでいただきたい」 そんな思いで出来る限り毎日投稿しようと 書いてきました。 私たちは常に何かを考え、何かを感じ生きています。 幸か不幸か必ずそれは訪れます。 だからこそ自分の信念を少なからず 持つことが大切…
「おとうさん。ちょっとそれ取って。」 「ああ。よっこらせっと。」 もうちょっとで孫に会える。 その気持ちのおかげで、わたしは気分がいい。 「あとでちょっと買い物行かんか?」 「おもちゃはこの前買いましたよ。」 「ああ。でも落ち着かなくてなぁ。」 …
「いやーすべったなあ!」ハハハ 「ひどかったなぁ~」 「笑いごとちゃうぞ!」 俺たち3人は同期。 ネタ作り役とコンビの二人。 舞台に立つのは二人でも ちょっと変わった三人一組の仲間だ。 「もっとネタ磨かなな!」 「あかんて!もうあのネタやめよ~や…
僕たち3匹はいつも一緒にいる。 夜中は暗くて少し寂しいけれど 毎朝お姉さんが掃除してくれるから お部屋はいつも綺麗。 昼間は色んな人たちが僕たちを 見守ってくれている。 たまには「触れたい!」 そう思うけれど、ガラス越しに映る たくさんの笑顔で元気…
試合時間40分の完全試合。 オールスターチームを結成して挑んだ17戦全敗。 初めてのプロチームで挑んだ16戦全敗。 歴史はそこから始まった。 日本に初めて伝わったのは1872年。 アメリカ人教師が生徒に教えたのが始まりだった。 初めて触る白い球。 初めて握…
ここは遠い北の国。 クリスマスの前日、サンタクロースは 大急ぎでプレゼントを用意していました。 (さあ子供たちに僅かばかりの喜びを) そして当日、相棒のトナカイとソリーで出発。 煙突から。窓から。こっそりとプレゼントを運ぶ。 残りわずかとなった…
駅に着いた僕は緑色をした 公衆電話の前にいた。 084 のボタンを押す。 続けて 141064 のボタンを押す。 公衆電話から返ってきたテレホンカードを 財布にしまい改札を抜ける。 電車の中でブーブーとバイブが鳴る。 ポケットからポケベルを取り出す。 084 [ ]…
喫煙歴32年。 俺も52になった。 何度もやめよう・・・とは 思ったものの決意が弱いオレ。 そんな俺が運命的な出会いをしたのは 3年前。 近所の居酒屋に、ひとりで居ると 取引先で見かけた彼女とばったり遭遇した。 「え~!前田さん!この辺りなんです…
遠距離恋愛中の美咲と悠太。 美咲は日本の大阪に。 悠太はアメリカのニューヨークに。 お互いは共通の趣味や興味を持ち、 メッセージやビデオ通話を通じて 日々の出来事を話し合う。 クリスマスが近づいたある日、 いつものようにビデオ通話が始まると、 悠…
小さな頃の私は、寒い冬の日に 母と一緒に街角の屋台で売られている 「おでん」の香りに誘われていた。 その温かくて優しい香りが、 まるで幸せな魔法のように心を包んでくれた。 家計が厳しい時期も、 母はいつも心を込めて 「おでん」を作ってくれた。 い…
日本から約15時間前後の道のり。 一人の男はローマの地に着いた。 (何て美しい町なんだ!) 感動と興奮でいっぱいだった。 (あの賑わいはなんだ?) 近付いていくと、やっていたのは 「お菓子祭り」だった。 大勢の子供たちが楽しそうに 次々とお菓子を…
「只今、上空天候悪化のため、 当機は着陸できずにおります。 大変にご迷惑をお掛けいたします。 予定時間が遅れますことを 心からお詫び申し上げます。」 機内からは落胆のため息が聞こえる。 10分、20分と旋回する飛行機に 機内では不安の声も聞こえてきた…
ここ京都の花街にひとりの舞妓さんがいる。 名前は花音(はなね)。 彼女は、優雅な舞と美しい和服で 人々を楽しませ、心を豊かにする存在。 ある日、花音は花街の小さな広場で踊っている最中 一人の女性が悲しそうな表情で座っているのを見つけた。 その女…
その日は朝廷からの客人へ年賀の答礼を行う日。 「違う!何度言ったらわかる。」 「早くせよ!」「やりなおせ!」 接待する者は、指南する者に注意を受ける。 その言葉の一言一言が・・・。 (もう我慢できん!) うあぁぁぁぁl 刃物を持った接待役は指南役…
12月も中旬に差し迫ってきた。 「正月」 そろそろこの言葉が頭をよぎる。 ふと部屋の隅に目をやると こんなところに・・・ 普段気付かなかった汚れに気が付いた。 「人が集まるところには幸せが集まるものよ」 昔、母に言われた言葉を思い出す。 掃除機を用…
いつも僕を支えてくれる彼女。 普段は少し強気な僕も、彼女の前ではか弱い男。 知識があり教養もある彼女。 僕はそんな彼女に魅了されている。 仕事で失敗した僕に彼女はこう言った。 「しっかりしなさい。仕事を失っても私は失わないわ。」 その言葉が僕の…
俺は毎日、日払いで給料をもらう。 給料袋の中身は8600円。 そこから600円を取り出して 近所の定食屋で食事をする。 ・かつ丼600円 ・カレーライス 600円 ・生姜焼き定食750円 ・焼肉定食900円 今はまだ、かつ丼かカレーだが これが俺の毎日の楽しみだ。 あ…
「あの〜。すみません。」 「どうされました?」 「こちらで買った携帯ね。スマホっていうのかしら。 昨日から何だか調子悪いみたいなの。」 「見せてもらっていいですか?」 「はい。お願いします。」 「あー。これは故障ですね。」 「あら。そうなの。困っ…
今日は仲間たちからの送別会。 10年も共にした仲間たち。 「俺たちと一緒にやろうぜ」 この誘いが俺の人生を大きく変えた。 特に秀でた才能は俺にはない。 だから俺は、周囲の行動や思考に注意した。 皆が何をしたいのか。 皆が何を望んでいるのか。 一緒の…
外国の文化が流入してきたこの街。 外国人居留地には洋風の商館や住居が建ち並ぶ。 かつてから、この街は外国との交流に栄えた。 そして出来た、定食屋、中華街、ジャズ喫茶。 今日も俺はそんな海岸沿いを歩く。 しばらくすると、港に停泊している一隻の船が…
「ずっと忘れない 離れてもくじけない 生きていく 今日から」 街を歩いていると、どこからか聞こえてきた。 あれは今から25年位前だっただろうか。 当時、高校生だった俺は青春真っただ中だった。 彼女に会うため、駅に行く。 駅に着くと、小刻みに震えなが…
長らく片づけられていなかった部屋で、 押し入れの奥にしまい込まれていた古びたアルバムを見つけた。 表紙は年代物のレトロなデザイン。 アルバムを開くと、黄ばんだページから笑顔溢れる昔の写真。 幼いころの自分や家族。 遠出した旅行や特別なイベント。…
「お願いです!助けてください!」 そう叫んで俺の前に飛び出してきた女性は キズだらけだった。 「どうしたんですか?」 「助けて!襲われて!」 女性は俺の顔を見ると泣き出した。 服は破れ、脚や口からは血が見えた。 それでも女性は美しかった。 「行き…
天才・ファンタジスタ・レジェンド・魔術師 俺は様々な呼び名でみんなに愛された。 俺は今から40年と少し前に、大家族に生まれた。 そして、母子家庭だった。 その為か、家は普通とは決して呼べない程の暮らしだった。 拾ってきたボロボロのボールを投げたり…
その日は、極めて静かな朝だった。 僕は起き上がり部屋を見渡した。 いつもいるはずの両親はいなかった。 ガチャッ。 入り口の扉が開く。 「やめて!パパ!ママ!」 そう叫んだことだけ覚えている。 僕は手を縛られ、布を被せられ、担がれていた。 しばらく…
小さな町に住むとしぞう。 彼は妻に先立たれ子供にも恵まれず ひそやかに暮らしていた。 ピンポーン 玄関のチャイムが鳴り、ゆっくりと向かう。 「はいはい。どなた?」 「隣に越してきたものです。」 ガラガラ 「ほう。」 彼女をみた彼の第一声だった。 「…
ぼくはTVで現実を知った。 ぼくが生活しているこの町が どこにでもあるのだと思っていた。 でもTVに映っていたのは はだしで歩く人たち。 赤ちゃんを抱えるまだ大人じゃない人。 ボロボロの服を着たぼくと同じくらいの子。 ぼくの町にあるような建物はなかっ…
物語は、一匹の特別な豚が主人公。 この豚は他の豚たちと同じように生まれたが、 大きな違いがあった。 この豚は非常に賢く、人間の言葉を理解し、 感情を抱くことができる特別な存在だった。 彼は生まれた瞬間から、他の豚たちと同じように放牧され、育てら…
「この地はまだ続く!前進せよ!」 俺たちはここ新大陸で先を目指した。 野を越え、山を越え、俺たちは進み続けた。 「隊長!何か村が見えてきました!」 「よし。行くぞ。歩を止めるな!」 俺たちは互いに鼓舞し、飢えをしのいで歩いた。 村に着くと裸の部…
少しの衝撃で爆発する液体。 しかしそれは持ち運ぶ振動で暴発したり 爆発に至らないこともある不安定な爆薬。 「これでは却って危険だ。」 「それにしてもすごい威力だ。」 「もっと安定して確実なものに出来れば。」 彼はそれから研究を重ねた。 紙、木炭、…