popoのブログ

超短編(ショートショート)

テレホンカード

駅に着いた僕は緑色をした

公衆電話の前にいた。

084 のボタンを押す。

続けて 141064 のボタンを押す。

公衆電話から返ってきたテレホンカードを

財布にしまい改札を抜ける。

 

電車の中でブーブーとバイブが鳴る。

ポケットからポケベルを取り出す。

084 [ ]21104 の文字。

同時に電車が止まる。

慌てて飛び降り学校に向かう。

 

チャイムと同時に「おはよー」と

教室のドアを開ける。

息を切らした僕に

彼女が笑顔を見せる。

 

お昼の時間には友達といつもの場所に集まる。

学校では彼女と口を交わす機会は少ない。

チャイムが鳴って午後の授業。

僕の学校には一階の売店近くに公衆電話があった。

「ごめん。先戻ってて」

そしてテレホンカードを財布から取り出し

5110 のボタンを押してから教室に戻る。

 

学校の帰りには駅で友達と別れ

再び公衆電話に。

テレホンカードを取り出していると

ブーブーとベルが鳴る。

画面には 11014 の文字。

僕はテレホンカードを入れ

105216 と返す。

 

机の奥から出てきたテレホンカードを見て

そんな青春時代を懐かしく振り返る。