popoのブログ

超短編(ショートショート)

2023-05-01から1ヶ月間の記事一覧

俺の聞いた声

俺たち3人は、ある日、山の中にキャンプへ出かけた。 俺らは、山の奥深くまで分け入り、テントを張った。 そして夜が更け、焚き火を囲んで話をしていた。 「ねえ、山で幽霊を見たことある?」 「俺は見たことはないな。でも、山には幽霊が出ると聞いたこと…

つながり

彼は、近所でも有名な頑固なオヤジ。 いつもムスッとしていて、笑顔なんて見たことがない。 挨拶をしても頭を軽く下げるだけ。 彼は、やんちゃな男の子。 学生の頃、近くのコンビニに大勢で集まっては夜中まで大きな声で騒いでいた。 いい近所迷惑。 彼女は…

いつもの場所で

はじめて会った時彼女はまだ幼かった。 真ん丸な目でボクを見つめていた。 5分か10分か、その場に立ちくつしてずっとボクを見ていた。 しばらくして彼女がいなくなったと思ったら 戻ってきボクを抱えてくれた。 そこからボクと彼女との付き合いが始まった。 …

私の歩む世界

「我慢しなさい」「仕方がないじゃないか」 「わがままを言うな」 私は幼い頃そうやって教育されてきた。 気が付けば私は不平や不満も我慢し耐える私になっていた。 そして言葉にできない、言葉にしない私になっていた。 社会人になり私は同期の親友ができた…

手紙

「私は学生の頃、何度も親に迷惑を掛けました。 時には学校に呼び出される日もありました。 私は家出もしました。お父さんはその度に私に怒鳴っていましたね。 お母さんは私をどんな時も優しく迎え入れてくれましたね。 そんな両親のおかげで私は大人になれ…

友情~あなたを想う~

ある大きな公園で、子供たちが遊んでいた。 その中に一人の男の子がいた。彼はいつも一人で遊んでいた。彼には友達がいない。 ある日、男の子はいつものように公園で一人遊んでいた。 すると一人の女の子が来た。 「一緒に遊んでくれないかな?」 男の子は、…

のりこえた先に

「大丈夫ですか?」 オレは電車の中で一人の女性を見つけた。 彼女は顔色が悪く、息切れをしていた。 「わたし。もしかしたらコロナかも・・・。」 彼女は扉の近くでうつむいたまま顔を赤くして何とか立っていた。 世間では新型のウィルスによって大きな混乱…

未来の私から

目が覚め、太陽の光が窓から降り注ぐのを感じる。 ベッドから出て、窓際に行く。美しい日だ。 太陽が輝いていて、空は青い。鳥が鳴いているのが聞こえる。 今日は1年後の自分。私は自分がどれだけ成長したかを誇りに思う。 私は自分の夢を追いかけ、自分の人…

扉のむこうに

ある日、私は仕事から帰ってとても疲れていたので、 そのままソファーですぐに眠りにつきました。 しかし、しばらくすると私は奇妙な夢を見ました。 私は森の中にいました。周りは木と草で、空気は新鮮で澄んでいました。 私は歩いていると、小さな家を見つ…

わたしの味

ひとくち食べたカレー。 その時、私は懐かしさを感じた。 私は片親で母は仕事でいつも帰りが遅かった。 私は近くの祖父母の家に預けられた。 「おはよう」朝あずけられると幼い私は決まってまず、ばあちゃんのたるんだあごから首元にかけた部分を触る。 あの…

くだらないって思うだろう

きまらねえ! 今日は朝から髪がきまらない。 髪はおれのモチベーション。 何でだよ!と昨日と違う鏡の自分に腹を立てる。 ガシガシとスプレーふった後の髪をむさぼる。 それに時間が追い打ちをかける。タイムリミットあとわずか。 どうしよう。あせる。あせ…

いまはまだ。

「やめなさい。何やってるの。」 今日もいつもの声がする。 「こら。いい加減にしなさい。」 今日もいつもの声がする。 でも何でなの?わからないよ。 お腹がすいた。でも言葉がでない。 もう少し遊びたいの。でも言葉にできない。 寝たいのに。目を閉じても…

START~新たな気持ちで~

「星」 夜になると輝く。 でもそれはずっとあるもの。 明るいと見えないだけ。暗いと見えるだけ。 ただそれだけのこと。特別なことはなにもない。 私は見上げることをしなかった。 ずっとあるんだよ。ここにあるんだよ。 何か語りかけるように輝いている。 …

Hidden feelings

お前はいつも元気だな。お前はいつも明るいな。 あいつなら大丈夫だろう。あいつなら何とかするだろう。 そんな言葉や思いを、オレはあいつに何度言い、何度思ったことだろう。 今日も当たり前のような日常を送り、特にあいつを気にすることもない。 そのは…

いつかどこかで

オレはこの町で生まれた。 オレはこの町で育った。 この景色もこの空気も、すべてが当たり前ですべてが落ち着く。 でもどこか懐かしさすら感じる。 昔よくここで遊んだなあ。 そういえばよくあそこに隠れたなあ。 そういえばよくあそこを走ったなあ。 大好き…

ピアノと私

私は、自分からやりたいことに向かえない。 本当はやりたいのに。 本当は話したいのに。 私は行動に出ることができない。 高鳴る鼓動が私を制止させる。 幼い時みんなが砂場で遊んだり、 みんながおままごとで遊んだり。 でも私はそこに入れない。 いつも一…

一歩先。

外を走っていると突然大雨が降りだした。 オレはがむしゃらに走る。 「くそ!」「なんでだよ」心の中で叫びながら オレの中である記憶がよみがえる。 あいつはオレの幼なじみ。 昔から勉強もできてスポーツもできて、あいつはモテた。 でもあいつは何気ない…

はじめてのおつかい

ランキング参加中【公式】2023年開設ブログ 温かくぷにぷにの肌。 「ママはい」 息子のやわらかい手から、料理中のしわのあるわたしの手に、じゃがいもが渡る。 今日も料理を手伝ってくれる息子。 お手伝いしてくれたら10円ずつ息子のお小遣い袋にお金を入れ…

リスナー~何気ない日常~

どうしてあの日ラジオを聴いたのかわからない。 普段忙しい中でラジオを流すなんて何年ぶりだろう。 どうやってあの日ラジオを流したのかもわからない。 普段なら動くことに精一杯でラジオのことは頭にないのに。 何でだろう。 気が付くと流れていて、気が付…

大切な場所 ~Life~

ここは毎日人の行き交う商店街。 毎日同じ景色。同じ光景。ばってんいつも様々な言葉が飛び交う。 「うちん息子、こんなん好きなんよ」「今日は何がうまかと?」「これ安かねぇ」 笑顔や悩む顔を毎日みて過ごす。 うちゃそげん人たちが好いとーけん、精一杯…

わたしの生活

いってらっしゃい!頑張って!元気でね! 多くの声に見送られ私は生まれ育った田舎を出る。 迎えのフェリーがやってくる。 家族、友達、先生。一生懸命手を振るが涙でみんなの顔がよく見えない。 これが上京したころの思い出だ。 都会の生活は大忙し。同じ時…

ミュージシャンのひとり言

ふとした時いつも頭に流れる音楽ってあるよな。 思わず口ずさんでいる歌とか。 オレは思うんだ。 「音楽はなくならねぇ」 例えば飯って食べちまったら終わり。 みんなで食卓囲んで食べてる時も 食べ終わっちまったら寂しいもんだ。 オシャレだって選んで着て…

ママになる。

抱っこの仕方。げっぷのさせ方。 鼻水のとり方。お風呂の入れ方。何々?ほかにも・・・ 覚えることが多すぎて、どれもやらなきゃいけなくて。 次は何?もう大丈夫かなぁ。わたしにできるかなぁ。 でも誰にも言えなくて、言葉に出せずに悩んでる。 それでも日…

さめないで

たくさんのグラスが今日も目に映る。 今日もお酒に身を任せる。 お酒が好き? いや。飲んでる時の思考が好き。 ああ楽しい。飲むことだけ。 その場だけを思いっきり楽しむ。 今日のことも明日のことも関係ない。 今を全力で楽しんでる。 もうどうでもいい。 …

素のわたし

「君が好き!ずっとずっと!君が好き!」 部屋の中で熱唱する私。 その姿に驚いていた彼も 今は平然とスマホの画面を見ている。 私はスマホを片手にアプリを起動して 歌を一生懸命に唄う。 狙うはもちろん高得点。 決して小声でなんて、彼のことは気にしない…

…と自分に問う

オレは私立高校に通っていた。 思春期だったオレはかっこよくありたいと思った。 モテたいと思った。人気者でありたいと思った。 当時ちょっとませた女子は可愛くい見えた。 制服のスカートを短くしている女子。髪を少し染めている女子 ほんのり化粧している…

わかってるんだ。きっと。

2DKのアパートで母と二人暮らし。 家は貧しく大学へ行くお金もない。 わかっているけど勉強をする。 テストが戻ってくる。いい結果だった。校内での成績も上位。 喜んで家に帰る。 料理を作る母にテストの報告をする。 でも私は笑顔じゃない。 「はい」と不…