どうしてあの日ラジオを聴いたのかわからない。
普段忙しい中でラジオを流すなんて何年ぶりだろう。
どうやってあの日ラジオを流したのかもわからない。
普段なら動くことに精一杯でラジオのことは頭にないのに。
何でだろう。
気が付くと流れていて、気が付くと耳を傾けていた。
そしてその時流れてきた声は疲れきった私に寄り添ってくれた。
そして何とも絶妙なタイミングで流された音楽はぽっかりと心に空いた隙間をうめてくれた。
普段やらなきゃいけないことに追われすぎて自分に向ける時間なんてなかった。
私自身のケアなんてずっとできていなかったんだ。そう思った時
こんなにも自分が孤独だなんて。
こんなにも自分が寂しかったなんて。
こんなにも自分が弱っていたんて。
誰かに聞いてほしくて、誰かに寄り添ってほしくて、
それでも毎日やることに追われて。
でもラジオの声は私に元気をくれた。私にチカラをくれた。
よし!また頑張らなきゃって。
だから今はひとりとか、寂しいとか、そんなんじゃなくて
当たり前のようにラジオを聴いている。
やることは何も変わってないけれど、私は変わった。
そしてどこからともなく流れる声と音楽に、時にクスッとして、時に懐かしさを感じている。
そこに表情も背景もないけれど、
ラジオから伝わる声のチカラは私にとってはとてもとても大きなもの。