私は、いつもあなたといます。
私は、様々な物を詰め込まれています。
筆記用具、財布、スマホ、そして…あなたの思い出。
私は、あなたの日常生活を支えています。
学校へ行くとき、仕事に行くとき、遊びに行くとき。
私は、いつもあなたのそばにいます。
たまには家でお留守番。そんな日もあなたの帰りを待っています。
時にあなたは怒って私を叩きつけます。
時にあなたは落胆して私を置き去りにします。
時にあなたは嬉しさからか私を綺麗にしてくれます。
そういった毎日を私はあなたと一緒にいます。
あなたが旅行に出かけるときも私を大事にしてくれます。
あなたが愛する人と会う時も私を大事にしてくれます。
私はあなたの喜びや悲しみ、怒り、そして、愛情を、いつも見ています。
それが私の幸せなのです。
あなたが無理に物を詰め込もうとするときも、私もその気持ちに応えようと、目いっぱい膨れてみます。するとあなたは安堵します。
私の中にあるものは、あなたの大切な一つ一つ。
だから私も大切に守ります。
時が経ち、私は留守番の日々を迎えました。
昨日も。今日も。この前も。
ずっと暗い部屋の中で私はあなたの帰りを待ちます。
あなたはもしかしたら、私のことを忘れてしまったのかもしれません。
あなたはもしかしたら、私のことを必要としなくなったのかもしれません。
それでも私はあなたに捨てられるその日まで、
またいつか一緒にお出かけできる日を夢みています。
私はかばん。
あなたの大切なものを守るもの。