popoのブログ

超短編(ショートショート)

俺の聞いた声

俺たち3人は、ある日、山の中にキャンプへ出かけた。

俺らは、山の奥深くまで分け入り、テントを張った。

そして夜が更け、焚き火を囲んで話をしていた。

「ねえ、山で幽霊を見たことある?」

「俺は見たことはないな。でも、山には幽霊が出ると聞いたことがあるよ。」

「俺も見たことがあるよ。大きな黒い影が、俺を追いかけてきたんだ。」

「うわぁ、怖い。」

俺たちは、幽霊の話で盛り上がっていた。すると、突然、森の中から悲鳴が聞こえた。

「誰か助けて!」

俺たちは、テントを飛び出して、森の中を走った。悲鳴が聞こえた方向に進むと、

そこには、一人の女性の姿があった。彼女は、頭から血を流し、泣いていた。

「どうしたの?」

「私、襲われたの。」

「誰に?」

「知らない。大きな男が、突然、襲ってきた。」

俺たちは、女性を助け、キャンプに戻った。

女性は、震えていた。「警察に連絡しよう」そういうと

女性は「やめて!お願い。やめて。今はゆっくり休みたいの。」

俺はみんなの顔を見て「わかった。今日は危ないからみんなで車で寝よう。」

そう言って車の中で休むことにした。

車なら鍵もかかるし、いざとなったら逃げられる。そう思った。

「とにかく、明るくなったらすぐに山を下りよう。」

そう言ってみんな寝静まった。

 

ガン!「うっ!」物音とわずかな声で俺は目を覚ました。

運転席で寝ていた俺は3人がいる後ろを振り返った。

「どうした?」 その時だった。

目の前に大きく振りかぶった腕が映り込んだ。

手には何か持っているようだった。

ガン!

俺が記憶あるのはここまでだった。

俺の命はその時、奪われた。

でも最後に何か聞こえたような・・・。

 

「ひとのにくはうまいんだ」

という女性の声。