popoのブログ

超短編(ショートショート)

黄金の国ジパング

 

「この海の深くには金塊が眠っている。」

私はこの言葉を聞いた時、震えた。

目の前に広がる青い海の底に

すぐ私の目の前に可能性がある。

胸の鼓動は早くなる一方だった。

 

「この山からは金が採れる。」

俺はこの言葉を聞いた時、叫んだ。

目の前にあるこの山に金がある。

そう考えただけで、胸が熱くなった。

 

俺たち夫婦はトレジャーハンター。

地中海に潜ったり、

パプアニューギニアの鉱山を採掘したり、

世界中を飛び回る。

 

「黄金の国ジパング

日本は金が豊富に眠っている国。

俺たちはそう聞かされてやって来た。

佐渡に行ったら鹿児島へ行け。

鹿児島に行ったら

ここは企業の持ちものだと追い払われた。

こんな整備された国に

こんなに管理された国に

もう宝などない。

俺たちはそう思った。

 

帰国してすぐ仲間と会った。

「見つかったか?」

「今更あるわけないだろう。あんな綺麗な国に。」

「ああ。そうか。お前は知らないんだな。」

「何をだ?」

徳川埋蔵金

 

俺たち夫婦は、再び日本を目指した。

俺たちは夫婦はいつまでも

ロマンを追いかける。