popoのブログ

超短編(ショートショート)

写真

懐かしい写真が出てきた。

それは俺がまだ小さい時

お祭りに参加した写真だ。

俺は汗をかきながらハッピを着て笑ってる。

母が亡くなり俺は実家の整理をしている。

母とは、たわいの無い近況ばかり話して、

思い出話などはしたことがなかった。

何だか照れくさいし、胸が痛かった。

成人して実家を出て

結婚してからは年に1.2回だっただろう。母に会ったのは。

俺は親孝行できたのだろうか。

母の化粧台の引き出しから出てきた俺の写真。

いつも見ていたのだろうか。

何を思っていたのだろうか。

俺は大人になったつもりでいた。

今では父親だ。

でも母からしたら1人の息子。

俺はいつまでも、母の子どもだったのだろう。

母はそんな気持ちを、この写真をみて感じていたのだろうか。

いつまでも心配していたのかもしれない。

もっと会話をできたんじゃないか。

伝えたい気持ちがあったんじゃないか。

そういえば、俺が何かを話す度に、

母はいつも笑顔になっていたな。

俺は今、心が苦しい。

この写真を母の隣に飾ろう。

何だかそれが一番いい気がする。