popoのブログ

超短編(ショートショート)

送別会

今日は仲間たちからの送別会。

10年も共にした仲間たち。

「俺たちと一緒にやろうぜ」

この誘いが俺の人生を大きく変えた。

特に秀でた才能は俺にはない。

だから俺は、周囲の行動や思考に注意した。

皆が何をしたいのか。

皆が何を望んでいるのか。

一緒の方向を向いていたかった。

才能がない分、みんなの迷惑にはなりたくなかった。

 

「何であの時、俺を誘ったの?」

仲間たちに聞いてみる。

「だってお前は人の気持ちがよくわかるじゃん」

「そうだよ。まぢですごいよなあ。」

「先読み能力な!」笑

「この前の資料だって、よく準備してたなあ。」

「な!助かったよ。良かった。お前がいてくれて」

俺はビックリだった。

仲間がそんな風に思っていてくれたなんて。

「でもお前にそんな夢があったなんてな」

「もっと早く言えよ~」

「ここからが大切だぞ!頑張れよ!」

「ああ。さみしいな。」

「変わりはいないから、明日からは大変だぞ。」

俺は、自分の夢を追い求める。

(もっとみんなと居たい。)

半年前…

「今しか出来ないからな。やってみろよ。

失敗したら戻ってこればいい。

俺たちは離れていても仲間だからな。」

そう言って俺の胸をポンッと叩く。

その言葉が俺を初めて“自分の夢”を追ってもいいんだ。

そう思わせてくれた。

 

明日から俺は自分の夢を追う。

頑張らなきゃ。みんなに心配もかけられない。

だから今は別れが辛くても、泣いちゃだめだ。

笑ってみんなと別れたい。

そう思った俺だったが、

この場で最後に一つのことを仲間から学んだ。

「涙は流すより耐える方が難しい。」