popoのブログ

超短編(ショートショート)

街を歩く

外国の文化が流入してきたこの街。

外国人居留地には洋風の商館や住居が建ち並ぶ。

かつてから、この街は外国との交流に栄えた。

そして出来た、定食屋、中華街、ジャズ喫茶。

今日も俺はそんな海岸沿いを歩く。

しばらくすると、港に停泊している一隻の船が目に入る。

あれはまさに「洋上のオアシス」と呼ばれる客船ではないか!?

圧倒的な大きさと美しさに心を奪われる。

「うわぁぁあ。」

俺は少年のような声を上げた。

この港は自然条件が良いと言われる。

その為に停泊する外国船は多い。

この街には「赤道を越えても腐らない」

と言われる水がある。

船乗りたちは、この港に立ち寄ると

水を多く積み込んだようだ。

そしてまた、この港からは旅立った人も多い。

そう考えると、この港には数々のドラマがあったのだろう。

出会いと別れを繰り返す街。

この街にはこの街の物語がある。

そう感じさせるように夜風が吹く。

俺はこの偉大な船と、偉大な港に心を奪われる。

住んでいると、気付かないこともある。

自分のいる街がこんなに素敵だということも。