popoのブログ

超短編(ショートショート)

紡ぐ

学校の校庭に集められた部員たち。

「なにかあったの?」「あれ?先輩たちは?」

「撮影でもあるんじゃない?」

僕たちはなぜ集められたのかわからない。

みんなで様々な憶測が飛び交っていた。

 

その時だった。

「え?なにこれ」

空を舞う無数の紙飛行機。

その一つ一つが僕らのもとへ落ちてくる。

「あ!あそこ!」

一人の部員が指さす方を見上げると

先輩たちが立っていた。

 

僕たちは飛んできた紙飛行機を拾い上げた。

そこにはこうメッセージが書かれていた。

「君たちがこの場所を支えていくんだ」

「部活動はただの活動じゃなくて、一生の思い出だ」

「きっと素晴らしい未来が待ってるから。」

「自信を持って進んでいってほしい」

「新たな仲間や挑戦が待っているはずだ。」

「失敗してもいい。それが成長への第一歩」

「君たちは強く、頼りになる仲間がいる。」

「どんなことがあっても、前向きに立ち向かってくれたら嬉しい。」

「俺たちはいつでも応援しているよ!」

「これからは君たちの時代だ!」

「ありがとう。君たちと過ごした日々は本当に幸せだった」

1枚1枚ていねいに先輩たちの字で書かれていた。

 

そしてスピーカーから先輩の声が聞こえた。

「みんな!これが俺たち卒業生からの最後のメッセージ。

 頼りない俺たちだったかも知れないけど

 いつも仲間のことに真剣に向き合ってきた。

 怒った日々も、笑った日々も、泣いた日々も、

 俺たちは忘れない。ありがとう!

 みんな。本当に素敵な時間をありがとう。」

 

これからは僕たちが先輩たちの想いを継いでいく。