ここは遠い北の国。
クリスマスの前日、サンタクロースは
大急ぎでプレゼントを用意していました。
(さあ子供たちに僅かばかりの喜びを)
そして当日、相棒のトナカイとソリーで出発。
煙突から。窓から。こっそりとプレゼントを運ぶ。
残りわずかとなった時、
一つプレゼントが足りないことに気付きました。
サンタクロースは慌てて探し回りましたが、
どうしても見つかりません。
プレゼントを届けた家々を振り返っても
どこにいったのか見つけることもできません。
気づけば夜が更け、
子供たちが目を覚ましてしまう。
サンタクロースは子供たちの笑顔を守るため、
新しいプランを考え始めました。
彼は相棒のトナカイに呼びかけました。
「ちょっと飛ばしてくれるかい!?」
サンタクロースとトナカイは、
大胆な飛行を繰り広げました。
途中で出会った動物たちや、
美しい風景にも励まされながら、
彼らは急いで目的地に向かった。
「さあ着いた!」
そこにあったのは自然が織りなした彫刻でした。
サンタクロースはその一部を手に取り
最後の仕上げだ!と磨き始めました。
(よし!完成だ!)「さあ行こう!」
サンタクロースとトナカイは
急いで戻り、残りのプレゼントを配りました。
目を覚ました一人の少年。
「ママ!パパ!」
「見て!見てよ!」
少年は興奮して両親にプレゼントを見せました。
(なんて幻想的なんだ)
父親は驚きました。
「パパ!僕もパパみたいになりたい!」
その少年の父親は街でも有名な彫刻家でした。
サンタクロースからの贈り物が
笑顔だけじゃなく夢も届けた。
そんなお話でした。