popoのブログ

超短編(ショートショート)

ビタミン万歳!

都内の高校に通う私は、最近少し元気がない。

大好きなバスケ部の練習も、以前のような勢いがなくなってしまった。

理由は簡単、受験勉強のストレスと、夜食の誘惑に負けてしまうからだ。

 

そんな私のところに、栄養士の叔母が現れた。

「最近疲れているみたいね。」

「うん。わかる?」

「わかるわよ。元気がないもの。」

 

私は平然と毎日を過ごしていたつもりが、

元気がないと見抜かれた自分がちょっと恥ずかしかった。

 

「もしかして、ビタミンが足りてないのかもよ。」

 

叔母の話によると、糖質をエネルギーに変えるためには、

ビタミンB1が欠かせないらしい。

 

「ちょうどよかった。ほら。これ飲んでみて。」

 

叔母はカバンから栄養ドリンクを出してくれた。

 

私は、グッと飲み干した。

 

「まだ若いんだから。そんな顔しないの。」

 

私は叔母から元気をもらった。

と同時に、活き活きさがない自分に気付いた。

 

それからというもの私は、

ビタミンB1が豊富な豚肉や玄米を食事に取り入れることにした。

 

最初は慣れない食事に戸惑ったものの、

数日後、驚くべき変化が現れた。

 

朝起きるのが楽になり、集中力がアップしたのだ。

バスケ部の練習でも、以前のようにスタミナが切れずに走り回れるようになった。

 

「やっぱり、栄養って大事なんだな。」

 

私は改めて食事の大切さを実感した。

ビタミンのおかげで、私は再び活き活きとした毎日を取り戻し、

受験勉強もバスケ部も両立できるようになった。

 

ある日の試合、私は最後のブザーが鳴る直前に見事なシュートを決めた。

勝利の瞬間、私はコート上で大きくジャンプし、チームメイトと喜びを分かち合った。

 

「ビタミン万歳!」

 

そんな言葉がふいに出た。

 

「叔母さん。ありがとう。」

 

私の心には、感謝の気持ちが溢れていた。