popoのブログ

超短編(ショートショート)

光をつかむ

生まれつき右腕の動かない僕は、

青い空を見上げるのが好きだった。

 

僕は、自分のことを「普通じゃない」とどこか思っていた。

友達と手をつなぐことも、ボールを投げることも、できない。

いつもどこか置いていかれているような、

そんな感覚にさいなまれていた。

 

そして僕は、いつも周囲の視線に戸惑っていた。

 

ある日、学校の図書室で、伝説の冒険家、

アレックスの物語に出会う。

アレックスは幼い頃に大怪我を負い、左足を失っていたが、

義足を付けて世界中を旅し、多くの困難を乗り越えてきた人物だった。

 

アレックスの物語を読んだ僕は、

初めて自分の境遇を受け入れられるようになった。

アレックスのように、自分も何かできることがあるのではないか。

そう思った僕は、科学コンクールに挑戦してみることにした。

 

コンクールのテーマは「未来の乗り物」。

僕は、自分の経験を活かして、

片手で操作できる新しいタイプの自転車を設計した。

 

僕は、何度も試行錯誤を繰り返し、

ついに自分だけのオリジナル自転車を完成させた。

 

発表の日、僕は緊張しながら自分の作品を発表した。

プレゼンテーションは、会場の大人たちだけでなく、

子供たちからも大きな拍手を受けた。

 

表彰式の後、僕は先生や友達からたくさんの祝福を受けた。

特に、いつも自分を見下していたクラスメイトが、

初めて僕を「すごい!」と褒めてくれたことが、心に深く残った。

 

僕の体は十分じゃないかもしれない。

だから僕はどこかで不自由な体を理由に

現実から逃げていたのかもしれない。

 

でも、大切なのは自分自身を受け入れることだと思った。

 

アレックスはこう言った。

「俺はみんなと同じように喜びや悲しみを経験している」

 

僕は今、自分の可能性を信じることが

いかに大切かを学んでいる。

 

そう。僕は創造的な少年なのだ。