popoのブログ

超短編(ショートショート)

こころの架け橋

神奈川県川崎市に住む、明るく元気な姉と、

千葉県木更津市で穏やかに暮らす妹。

二人は、生い立ちこそ違うものの、

血のつながりを超えた深い絆で結ばれていた。

 

しかし、二人が住む街は海を挟んで遠く離れており、

なかなか頻繁に会うことができずにいた。

週末に会おうにも、交通の便が悪く、移動に時間がかかってしまう。

それでも、二人は手紙を書いたり、電話をかけあったりして、

お互いのことをいつも気にかけていた。

 

そんなある日、二人は衝撃的なニュースを見つけた。

川崎と木更津を結ぶ新しい橋が完成するというのだ。

この橋が開通すれば、これまで時間がかかっていた移動時間が大幅に短縮される。

二人は、このニュースに飛び上がり、すぐにでも会いたい気持ちでいっぱいになった。

 

しばらくして、待ちに待った開通の日、

二人は橋の上で再会した。

見慣れた東京湾の景色が広がり、潮風が心地よく二人の頬を撫でる。

 

「やっと会えたね!」

 

姉がそう叫ぶと、妹は少し照れながら微笑んだ。

 

「この橋のおかげで、もっと頻繁に会えるね」

 

二人は手をつなぎ、橋の上をゆっくりと歩いていく。

子供の頃から話した夢や、最近の出来事など、色々なことを語り合った。

 

「ねぇ、この橋みたいにあたしたちの絆も、ずーっと続くよね?」

 

妹の言葉に、姉は力強く頷いた。

 

「もちろんだよ!この橋が私たちの架け橋になってくれるんだから」

 

それから、二人は頻繁に橋を渡って会うようになった。

一緒にショッピングに行ったり、カフェでゆっくりお茶をしたり、

時には実家で一緒にご飯を食べたり。

 

ある日、姉は妹に素敵なサプライズを用意した。

それは、二人の思い出の地を巡る旅行だった。

二人は、橋の上で出会った日のことを思い出しながら、

たくさんの思い出を作った。

 

旅行から帰った後、妹は姉に感謝の気持ちを込めて、

手作りのアルバムをプレゼントした。

アルバムの中には、二人の写真やメッセージがぎっしり詰まっていた。

 

「おねえちゃん。いつもありがとう。これからもずっと一緒にいようね」

 

妹の言葉に、姉は涙を流した。

 

「うん、ずっと一緒にいようね」

 

二人は、この橋の上で永遠の絆を誓い合った。