popoのブログ

超短編(ショートショート)

いくぞ!

「この地はまだ続く!前進せよ!」

俺たちはここ新大陸で先を目指した。

野を越え、山を越え、俺たちは進み続けた。

「隊長!何か村が見えてきました!」

「よし。行くぞ。歩を止めるな!」

俺たちは互いに鼓舞し、飢えをしのいで歩いた。

村に着くと裸の部族と出会った。

言葉は通じないが、悪い奴らではなさそうだ。

俺たちは必死にジェスチャーと途中で捕まえた鹿をくれてやった。

部族からは次第に笑みがこぼれた。

俺たちも安堵と共に、しばらくの休息についた。

「ここが終わりじゃない。いくぞ!」

隊長の言葉に、俺たちはまた歩を進めた。

「見えたぞ!町がある!」

数日後にたどり着いた先は、同じ言葉を話す民族が住む町だった。

「この先に水路がある。だがその先はわからん。

 誰も行ったことがない。」

この町の人の言葉に俺たちは震えた。

「まだ先があるんだ。」

「大陸の先にまだ世界は続くはずだ。」

「行こう!俺たちの目で確かめよう。」

俺たちは町の人たちにも協力してもらい、船を作った。

「いよいよ出発の時だ。」

水の流れは思ったより早かった。

「海が見えたぞ!」

「しっかり舵を取れ!」

数日後、俺たちは大きな海の沖に出た。

「なんて穏やかな海なんだ。」

気が付くと俺たちは船頭に立って先を眺めていた。

「どこまで続くんだ。」

誰も渡ったことのない海。

この先に大陸があると信じて俺たちはまだまだ進む。