popoのブログ

超短編(ショートショート)

アルバム

長らく片づけられていなかった部屋で、

押し入れの奥にしまい込まれていた古びたアルバムを見つけた。

表紙は年代物のレトロなデザイン。

アルバムを開くと、黄ばんだページから笑顔溢れる昔の写真。

幼いころの自分や家族。

遠出した旅行や特別なイベント。

友達と一緒に行った海での写真。

何気ない日常だった過去が、はっきりと思い出される。

当時の思い出や感動。

友情に溢れた瞬間。愛に溢れた瞬間。

時間を忘れ、アルバムのページをめくり、

笑顔と涙を交える。

 

その夜、夢を見た。

幼いころに親と一緒に行ったキャンプ場。

幼なじみの家族とばったり出くわす。

そこに小学校の友達が現れる。

次に中学校の友達が現れる。

今度は高校の友達。

そんな中に、学生時代付き合った唯一の彼氏がいた。

みんな笑顔の中、彼だけは冴えない顔をしていた。

 

朝になり目を覚ます。

うる覚えの夢。

あ。そうだ。彼がいた。

 

ちょっとしたケンカの後、

「別れよう。」

そう言われるのが怖くて、

何も言わずに彼の前から去った私。

 

そんな過去もアルバムが思い出させてくれた。