popoのブログ

超短編(ショートショート)

異国の地で

小さな村に暮らす若者は、幼い頃から冒険心に溢れていた。

周りは豊かな緑に囲まれていたが、

彼は常にその先にある世界に憧れていた。

ある日、彼は偶然、外国の荒れ果てた土地の写真を目にする。

その写真を見た瞬間、何か強い衝動を感じ、

内に秘めた勇気と希望を胸に、移住を決意する。

周囲の反対を押し切り、彼は未知の世界へと旅立った。

 

異国の地での生活は容易ではなかった。

慣れない文化、言葉の壁、厳しい自然環境。

しかし、若者は決して諦めなかった。

持ち前の勤勉さと粘り強さで、

荒れた土地を開墾し、少しずつ農地を作り上げていく。

 

異国の人たちは、

「勝手に何をやってるんだ」

「意味がない」

「邪魔だ」「帰れ」と言っていた。

 

しかし1年後、そんな荒れ果てていた地に、

一輪の花が咲いた。

 

それを見た異国の人たちは、

ひとり。またひとりと。彼を手伝い始めた。

 

そして数年後、若者の努力が実を結ぶ。

かつて荒れ果てていた土地は、豊かな農地に生まれ変わった。

その農地は、人々に食糧と安定した生活をもたらし、

やがて、国の生活基盤となった。

 

異国の人たちは、

「ありがとう」

「この地に生まれてよかった」

「君に出会えてよかった」と言って、

涙を流す人もたくさんいた。

 

そして、若者は言った。

「僕こそ、ありがとう。」

「みんなの夢や勇気、希望が僕にチカラをくれた。」

「これはみんなのチカラで成し遂げたんだ。」

 

それからも彼は決して驕ることなく、

さらなる夢を追いかけるために旅立つ。

 

若者が旅立った後も、

彼の農地は人々によって大切に守られ、発展を続けている。

 

その農地は、単なる食糧生産の場ではなく、

人々の絆と希望の象徴へと変わっていた。