「誰にも撮れないものを撮る」
彼は険しい山々を舞台に写真を撮ることに情熱を燃やす写真家だった。
彼は、人跡未踏の土地や、誰も見たことがないような景色を写真に収めることに喜びを見出していた。
ある日、彼は、とある山奥に存在するという幻の景色の存在を知る。
その景色は、山頂から望む絶景を捉えたもので、
その美しさは見る者を魅了すると言われていた。
しかし、その山は非常に険しく、
登頂した者はいないという噂もあった。
彼は、その幻の景色に強い興味を持ち、
登頂を決意する。
彼は、登山経験豊富なガイドと協力し、
準備を進めた。
しかし、登山は想像以上に困難だった。
険しい岩場や滑りやすい斜面を登り、
厳しい天候にも耐えなければならなかった。
「もうダメだ。」
ガイドは道半ばで離脱した。
それでも彼は諦めなかった。
何度も挫折しそうになりながらも、
写真家としてのプライドと、自分自身の誇り、
感動のために、足を進めた。
そして彼は、数日後、
自分の情熱と不屈の精神で困難を乗り越えた。
そう。ついに、山頂にたどり着くことに成功したのだ。
山頂からの景色は、まさに絶景だった。
そこでしか見ることのできない滝、花、木々。
全てに彼は感動した。
彼は、その景色を写真に収めるために、渾身の力を込める。
今まで何千、何万と撮り続けた写真。
しかし手も震え、足もガタついた。
そしてシャッターを切る瞬間…
崖から足が滑り落ちた。
幻想的な美しさの中、彼は生涯を遂げた。
数日後、彼の遺体とともにカメラが見つかった。
そこに写された一枚の写真。
その写真は、見る者を圧倒するほどの美しさを持っていた。
「そんな滝はない」
「そんな花はない」
「そんな植物はいない」
そう言われた全てが
その写真には残されていた。
またそれは彼の情熱と不屈の精神を表現した一枚でもあった。
数年の時が経ち、
彼の写真は幻の一枚と評された。
人々はその写真に感動と勇気を与えられた。
そして、その写真を撮った彼もまた
偉大な写真家として世界中に知れ渡った。
「誰にも撮れないものを撮る」
彼のその言葉は、幸か不幸か現実となった。
命と引き換えに撮った写真。
彼は今、どんな思いなのか…。
その答えはみんなの心の中にある。