僕は昔イジメられたことがある。
理由はほかの人より少しおでこが広かったこと。
「ハゲ」「でこっぱち」「フランケン」
たくさんの呼び名があった。
それでもお母さんやお父さんの前では普通にしていた。
きっとイジメられてるって知ったら悲しむから。
その日もいつものように学校に行った。
いつものように黙って席についた。
その時だった。
前から飛んできた紙飛行機は
僕のおでこにあたった。
「ハハハ!でこが広いから当たったんだ!」
「ざまあみろ」「でこっぱち!」「ギャハハハハ」
バカみたいに笑うみんなが僕の目に映った。
僕の我慢は限界だった。
家に帰った僕は、お母さんの顔を見るなり
泣きじゃくった。
「おっ・・・おかあさん・・・みんなが
みんなが・・・おでこ広いって・・・
でこっぱちだって・・・」
僕は泣きじゃくった。
お母さんは僕の肩を両手でつかんだ。
「ねえ見て。」
お母さんは僕の正面に顔をやり
前髪をかきあげた。
「ほら。お母さんもおなじ。」
そう言って今度は僕を抱きしめた。
その時お母さんが僕の耳元でささやくように
歌った。
おはなが ながいのね
そうよ かあさんも ながいのよ」