popoのブログ

超短編(ショートショート)

永久欠番

永久欠番

優れた功績を残した競技者の栄誉として、

その人の使った背番号を、

永久に他の人が使わないようにすること。

とても名誉なことである。

 

ある時、

スポーツの世界に新しい仲間が加わった。

しかし彼だけが肌の色が違った。

 

周囲は暴力的なプレーをした。

人種差別的なヤジを飛ばした。

審判までも不当な判定を行った。

 

「黒い肌!黒い肌!」

そんなヤジを聞いた

彼は泣きながらこう言った。

 

「この黒い肌を白くすることさえできたら、

自分もみんなと一緒に扱われるんです。そうでしょう?」

 

その言葉に周囲は何も感じないはずがなかった。

 

しかし、急に差別がなくなるわけでもなかった。

 

「仕返ししない勇気を持つ」

 

これが彼の信条だった。

彼は怒ることなく常に紳士的であり続けた。

 

そして次第に周囲も変化して行った。

 

やがて彼はメジャーリーガーとなる。

 

当時の監督はこう言った。

「自分は選手の肌が黄色であろうと黒であろうと構わない。

自分はこのチームの監督である。

優秀な選手であれば使う。

もし自分に反対する者がいたら、チームを出て行ってほしい」

 

そして今、彼の付けた背番号は

永久欠番となっている。

思い出の喫茶店

「幼い頃、おばあちゃんの家に行くと

必ず行く場所がありました。

それは近所の喫茶店

そして私はいつもホットケーキを食べました。」

 

おばあちゃんと通った喫茶店

きっと特別な場所だったのでしょう。

 

幼い頃の思い出は、

案外、大人になっても鮮明に覚えているものです。

特に、おばあちゃんと過ごした時間は、

かけがえのない宝物ですよね。

 

その喫茶店は、どんな雰囲気でしたか?

どんなインテリアでしたか?

どんな音楽が流れていましたか?

どんな匂いがしましたか?

 

いつも注文していたホットケーキは、

どんな味でしたか?

 

おばあちゃんと一緒に食べたホットケーキは、

ただの食べ物ではなく、温かい愛情と幸せの象徴だったのでしょう。

 

「懐かしいです。シロップをかけるのが楽しみでした。

クリームにさくらんぼが一個だけ。

それをいつ食べるかを迷っていたのを思い出します。」

 

もし、その喫茶店がまだ存在しているなら、

ぜひもう一度訪れてみてはいかがでしょうか?

 

きっと、幼い頃の思い出が

より鮮明に蘇ってくることでしょう。

そして、おばあちゃんへの想いが

より一層深まることでしょう。

 

もし、その喫茶店がなくなってしまったとしても、

その場所に行くことで何か感じるものがあるかもしれません。

あなたの心の中にはいつまでも存在し続けるでしょう。

 

大切なのは、思い出そのものです。

 

おばあちゃんと過ごした時間は、

あなたにとってかけがえのない宝物です。

 

これからも、その思い出を大切に

胸に抱いて生きていきましょう。

 

「はい!そうします。」

 

「ずっと忘れません。」

星に手を伸ばす少年

小さな村のはずれに、

星を見るのが大好きな少年がいた。

彼の名前はリク。

夜空を見上げ、無数の星々が織りなす壮大な景色に

心を奪われていた。

「いつか自分もあの星々に触れたい」

「宇宙飛行士になりたい」と夢見ていた。

 

しかし、周囲の人々はリクの夢を笑った。

「そんな小さな村から宇宙飛行士になれるわけない」

「夢ばかり見てないで、現実を見なさい」と。

リクは何度も諦めそうになったが、

それでも夜空を見上げるたびに、

心の奥底で燃える夢の炎を消すことができなかった。

 

ある日の夜、目を閉じると一つの物語が始まった。

 

大学で宇宙工学を専攻し、夢に近づくために努力を重ねる青年。

それは成長したリク本人だった。

彼は必死に勉強し、宇宙飛行士になるための知識を身に着けた。

そして、ついに夢にまで見た宇宙飛行士選抜試験を受ける。

厳しい訓練に耐え、幾多の壁を乗り越え、

青年リクは見事選抜試験に合格した。

 

そしてついに、宇宙へと飛び立った。

 

窓から見た地球は、想像以上に美しく、

青く輝いていた。

地球は青かった。」

リクは感動で胸がいっぱいになった。

 

宇宙空間で数々のミッションを成功させたリクは、

宇宙船の中で奇妙な体験をした。

それは、これまで誰も感じたことのない、

深い静寂と孤独感だった。

「ここに神はいなかった。」

リクは心の声に耳を傾けた。

宇宙は想像以上に広大で、未知の謎に満ちていた。

 

地球に戻った青年リクはこう言った。

「宇宙は美しい。そして、誰もが夢を叶えることができる。」

 

と、同時にリクは目を覚ます。

 

夢で見たあの景色。体験。

「神」青年リクはこの言葉を本当の神と言ったのか。

それとも宇宙人のことを神と言ったのか。

その言葉がまた謎を深め、興味を深め、

リクの夢への想いは、また更に強くなった。

 

人間の可能性

生命の存在

新しい世界

 

人類の未来を切り開くのは、

自分たち人間なのだと強く感じた。

ガッツポーズ

小さな頃から控えめな性格だった僕にとって、

運動会は苦手イベントだった。

人前で注目されるのが嫌いで、

徒競走はいつもビリかビリから2番目。

今年もきっと同じだろうと、

憂鬱な気持ちだった。

 

周りの子供たちは、

本番を前に元気いっぱいに走り回っている。

そんな彼らを見て、

僕だけ取り残されたような気持ちになった。

 

そんな僕は学校から帰ると、

ひとりで近くの川辺へ行き…走った。

 

はぁはぁ。

 

僕はこの時、早く走れるようになりたい。

という気持ちよりも

みんなに置いていかれたくない。

そんな気持ちだった。

 

迎えた運動会の当日。

周りは楽しさと興奮で賑わっていた。

その様子に僕はまた憂鬱な気持ちになった。

 

それでも僕は、練習をしてきたことを思い出し、

少しだけ勇気を出してスタートラインに立った。

 

ピストルが鳴り、周りの子供たちが勢いよく飛び出す。

僕はいつも通り、少し出遅れた。

でも、諦めずに必死に足を動かした。

周りの声が聞こえなくなるくらい、

自分の世界に集中した。

 

いつの間にか、僕は先頭を走っていた。

そして、ゴールのテープが見える。

心臓がバクバクと音を立てている。

周りの景色がぐにゃぐにゃと歪んで見える。

 

僕は駆け抜けた。

 

気が付くと、僕は

両手を突き上げてガッツポーズをしていた。

 

周りの子供たちから歓声が上がり、

先生からも笑顔で褒められた。

 

あの日、僕は初めて人前で自分の力を発揮できた。

そして、何よりも自分自身を信じること ができた。

 

あの経験から、僕は少しずつ自信をつけることができた。

そして、今では人前で話すことも苦にならなくなった。

 

運動会でかけっこに勝ったこと・・・

いや。練習の成果を出せたことが

僕にとって人生の転機となった。

 

あれから僕は、

新しい一歩を踏み出すことができたのだ。

ひとり旅

私は、長年勤めた会社を辞めて、ひとり旅に出た。

行き先は決めていない。

 

ただ、心の赴くままに、

日本各地を巡りたいと思っていた。

 

旅の楽しみの一つは、駅弁だ。

各地の駅弁は、その土地の食材や文化を反映しており、

旅の思い出を彩る大切な存在だ。

 

私は、旅先で出会う駅弁を、丁寧に味わった。

 

ある日、私は、東北地方の小さな駅で下車した。

駅弁売り場には、色とりどりの駅弁が並んでいた。

私は、その中から、地元の食材を使った「彩り豊か」を選んだ。

 

蓋を開けると、そこには、

旬の野菜や魚介類、肉料理などが、

美しく盛り付けられていた。

私は、一つ一つの料理を、ゆっくりと味わった。

 

故郷の味が重なる。

目を閉じて、故郷の風景を思い浮かべた。

 

食べ終えた私は、駅のベンチに座った。

そこには、若い女性が一人、座って泣いていた。

 

私は、声をかけた。

 

「何かあったのですか?」

 

女性は、就職活動に失敗して、落ち込んでいた。

私は、自分の経験を話しながら、女性を励ました。

 

「ありがとうございました。元気になりました。」

 

女性は、笑顔で私に礼を言った。

 

私もまた、女性の笑顔を見て、

心が温かくなった。

 

私は、旅を続ける。

 

「この町には、こんな美味しいものがあるんだ。」

 

「懐かしいなあ。」

 

「私も頑張ろう。」

 

「一人旅でも、こんなに充実した時間を過ごせるんだ。」

 

私は、旅を通して、人生の喜びを感じている。

 

そしてまた、その喜びを多くの人に伝えている。

 

 

さあ。今日はどこへ向かおうか・・・

 

そしてどんな出会いと、駅弁が待っているだろうか。