木漏れ日が降り注ぐ公園。
少女は、ブランコに揺られながら空を見上げていた。
彼女の心の中には、いつも小さな声が響いていた。
「もっと大きな声で歌いたい!」
「もっと自由に描きたい!」
「もっと遊びたい!」
「もっともっと楽しみたい!」
しかし、周りの目を気にして、
その声を言葉にすることはできなかった。
「恥ずかしい、、、誰もわかってくれないかもしれない、、、」
「嫌われるかもしれない、、、」
そんな思いが、彼女の心を塞いでいた。
次の日、少女は公園で絵を描いていた。
そこへ、一人の老人が近づいてきた。
「あなた、絵が上手だね。ほかに何か描きたいものがあるの?」
老人の優しい声に、少女はそっと心を開いた。
「本当はもっと自由に描きたいんだけど、、、」
「動物が好きなんだけど、、、架空の動物が好きで、、、」
「でも、、、気持ち悪いって、、、思われるかなって、、、」
恥ずかしそうに呟くと、老人は微笑んだ。
「心の声に耳を傾けなさい。それが、あなたを導く光になるんだよ。」
老人の言葉に背中を押され、少女は自分の思いを絵にぶつけた。
真っ白なキャンバスに、色とりどりの羽を持った鳥。
空高く飛び跳ねる鳥。そして輝く太陽。
少女の絵は、公園を訪れる人々の心を魅了した。
子どもたちは目を輝かせ、大人たちは懐かしそうに微笑んだ。
「なんて素敵な絵なんだろう!」
「私もこんな風に描けたらいいな!」
たくさんの声が少女に届いた。
その瞬間、彼女は気づいた。
自分の心の声を言葉にすることで、
世界はこんなに変わることができるんだ。
それからというもの、彼女は自分の心の声を恐れることなく、
絵や歌、言葉で表現するようになった。
そして、彼女の作品は多くの人々に勇気を与え、
心を豊かに彩っていく。
小さな声だった少女の心の声は、
いつしか大きな歌声となり、
いつしか大きな絵画となり、
世界中に響き渡った。