静寂に包まれた薄暗い部屋。
少女はベッドに横たわり、窓の外を眺めていた。
病魔との長い戦いは、彼女の顔から生気を奪い、
瞳の輝きを消していた。
コンコン。
そこに、一人の青年が現れた。
彼はギターを手に、彼女の隣に座ると、
優しく微笑んだ。
そして、静かに歌い始めた。
「翼をください…空を飛びたい…」
「この広い世界を…見てみたい…」
歌声は柔らかく、温かい。
少女の心を包み込むように、部屋に響き渡る。
少女は目を閉じた。
歌声に導かれ、彼女の心は病室を飛び出し、
青空を駆け抜けていく。
どこまでも続く草原を駆け巡り、
色とりどりの花畑を飛び越える。
歌い終えた青年は、少女の顔を見つめた。
そこには、初めて見る笑顔が浮かんでいた。
「ありがとう…」
少女はかすかに声を絞り出した。
「もう、怖くない…」
部屋の外では両親が泣いていた。
音楽は、少女に希望を与えた。
音楽は、両親に希望を与えた。
音楽は、家族に生きる力を与えた。
音楽は、人の心を動かす力を持っている。
喜び、悲しみ、怒り、愛…
様々な感情を呼び起こし、共感を生み出す。
音楽は、人を結びつける力を持っている。
言葉を超えて、文化を超えて、人々の心を一つにする。
音楽は、人の人生を変える力を持っている。
勇気を与え、希望を与え、生きる力を与える。
音楽は、魔法のような力を持っている。
音楽は、世界をもっと良い場所にすることができる。
だから、私たちは音楽を聴こう。
だから、私たちは音楽を歌おう。
数年後、病魔に打ち勝った彼女は、
海の見える丘に居た。
ギターを片手に。
「これからも、ずっとずっと・・・」
「歌い続けよう。」