生まれつき視覚障害を持つ私は、
幼い頃から点字ブロックに支えられて生きてきた。
街を歩き、学校に通い、友達と遊ぶ。
全て点字ブロックが私の道標だった。
しかし、ある日、
点字ブロックのない世界にたどり着く。
ここは、想像以上に暗闇だった。
点字ブロックが途切れた途端、私は立ち尽くしてしまう。
目の前に何があるのか、どこへ進めばいいのか、
何も分からない。
私は不安と恐怖に襲われた。
一人で歩くことすらままならない自分が、
生きていくことができるのか。
すると私の頬を冷たいものが流れた。
途方に暮れていたその時、
優しい声が聞こえた。
「困っているの?どこに行きたいの?」
幼い女の子の声だった。
私は事情を説明すると、彼女は私の手を優しく握り、
元の世界までの道を案内してくれた。
彼女の温かい手と優しい声に、
私は心が救われるような気がした。
そして、初めて点字ブロック以外にも、
希望の光があることに気づいた。
その後も、私は様々な人々の支えによって、
少しずつ成長していくことができた。
時には転んで、時には壁にぶつかった。
それでも、周りの人々の励ましを受けながら、
一歩ずつ前に進んでいった。
そして、私は大学に進学することができた。
大学では、点字ブロックのない環境にも慣れ、
様々なことに挑戦した。
今では、私も社会人として、
立派に生きている。
もちろん、困難なこともある。
しかし、あの日出会った彼女の優しさを思い出すと、
どんな壁も乗り越えられるような気がする。
私はこれからも、点字ブロックを超えて、
自分の道を歩んでいきたい。
そして、私の歩みが、同じように困難に立ち向かう人々に、
希望の光となることを願っている。
私のような人にも、そうでない人にも
点字ブロックは、なくてはならない存在。
しかし、点字ブロックだけで
全ての人が安心して移動できるわけではない。
困っている人がいたら、手を差し伸べて助ける。
それは、私もみんなも一緒のことだと思う。
ちょっとした優しさが、誰かの希望の光になるかもしれない。
この世界には、まだ多くの課題がある。
しかし、私たち一人一人の努力によって、
より誰もが安心して暮らせる社会を実現できるはずだ。
私はみんなに助けられながらも
誰かの助けにもなりたい。
そう思い、懸命に生きている。