popoのブログ

超短編(ショートショート)

ひとり旅

私は、長年勤めた会社を辞めて、ひとり旅に出た。

行き先は決めていない。

 

ただ、心の赴くままに、

日本各地を巡りたいと思っていた。

 

旅の楽しみの一つは、駅弁だ。

各地の駅弁は、その土地の食材や文化を反映しており、

旅の思い出を彩る大切な存在だ。

 

私は、旅先で出会う駅弁を、丁寧に味わった。

 

ある日、私は、東北地方の小さな駅で下車した。

駅弁売り場には、色とりどりの駅弁が並んでいた。

私は、その中から、地元の食材を使った「彩り豊か」を選んだ。

 

蓋を開けると、そこには、

旬の野菜や魚介類、肉料理などが、

美しく盛り付けられていた。

私は、一つ一つの料理を、ゆっくりと味わった。

 

故郷の味が重なる。

目を閉じて、故郷の風景を思い浮かべた。

 

食べ終えた私は、駅のベンチに座った。

そこには、若い女性が一人、座って泣いていた。

 

私は、声をかけた。

 

「何かあったのですか?」

 

女性は、就職活動に失敗して、落ち込んでいた。

私は、自分の経験を話しながら、女性を励ました。

 

「ありがとうございました。元気になりました。」

 

女性は、笑顔で私に礼を言った。

 

私もまた、女性の笑顔を見て、

心が温かくなった。

 

私は、旅を続ける。

 

「この町には、こんな美味しいものがあるんだ。」

 

「懐かしいなあ。」

 

「私も頑張ろう。」

 

「一人旅でも、こんなに充実した時間を過ごせるんだ。」

 

私は、旅を通して、人生の喜びを感じている。

 

そしてまた、その喜びを多くの人に伝えている。

 

 

さあ。今日はどこへ向かおうか・・・

 

そしてどんな出会いと、駅弁が待っているだろうか。