popoのブログ

超短編(ショートショート)

永久欠番

永久欠番

優れた功績を残した競技者の栄誉として、

その人の使った背番号を、

永久に他の人が使わないようにすること。

とても名誉なことである。

 

ある時、

スポーツの世界に新しい仲間が加わった。

しかし彼だけが肌の色が違った。

 

周囲は暴力的なプレーをした。

人種差別的なヤジを飛ばした。

審判までも不当な判定を行った。

 

「黒い肌!黒い肌!」

そんなヤジを聞いた

彼は泣きながらこう言った。

 

「この黒い肌を白くすることさえできたら、

自分もみんなと一緒に扱われるんです。そうでしょう?」

 

その言葉に周囲は何も感じないはずがなかった。

 

しかし、急に差別がなくなるわけでもなかった。

 

「仕返ししない勇気を持つ」

 

これが彼の信条だった。

彼は怒ることなく常に紳士的であり続けた。

 

そして次第に周囲も変化して行った。

 

やがて彼はメジャーリーガーとなる。

 

当時の監督はこう言った。

「自分は選手の肌が黄色であろうと黒であろうと構わない。

自分はこのチームの監督である。

優秀な選手であれば使う。

もし自分に反対する者がいたら、チームを出て行ってほしい」

 

そして今、彼の付けた背番号は

永久欠番となっている。