popoのブログ

超短編(ショートショート)

幻想と想像の世界

非日常的なドキドキ。

非日常的なトキメキ。

幻想と想像の世界。

僕はその世界が大好きだ。

数コマの紙が何人もの心を打つ。

ある漫画では冒険に出かける。

ある漫画では時空を超える。

他にも人の数だけ。いや、それ以上の物語がある。

 

僕は現実の世界では感情表現が苦手だ。

学校ではいつもクラスの隅に居た。

(感情表現できるもうひとりの自分がいたとしたら)

そう思いながら皆を見ていた時、

僕はひとりの主人公を描いた。

彼はとにかく明るくて、何よりも勇気を持っていた。

困った人がいては助け、仲間を作っては体を張った。

常に先頭に立って彼の物語は進んでいく。

僕は自分で描きながらも、彼にまた元気をもらっていた。

 

数年後、彼の物語は多くの人に読まれることとなった。

失敗することも、困難に出くわすこともある。

それでも彼は仲間のために懸命に立ち向かった。

傷ついても、最後には必ず笑っていた。

彼は僕の創造を超えていった。

僕の代わりに描いた彼は、僕を成長させる彼になっていた。

 

そして今、彼にまた魂が吹き込まれる。

動く彼が見られるようになる。

より感情的に、より躍動的に。

映像としてやってくる。

あの時の彼の想いがより具体化される。

あの時の彼の行動がより意味を持つ。

その姿にまたチカラをもらう。

 

非日常的でありながら、どこか現実のような世界。

きっとそこには僕たちの心があるから。

きっとそこには僕たちの夢があるはずだ。

「想像できる全てのことは僕たちの可能性だ。」