popoのブログ

超短編(ショートショート)

小さな天使

忙しい日々。日常のストレス。

私たち夫婦は知らずに会話が減っていた。

本当は、今日はこんなことがあったよって

話したいのに。

本当は、次の休み何するって相談したいのに。

話すことすら面倒くさくなっていた。

私は家事と育児。

主人は仕事の残業と飲み会。

仕事の為とはわかっていても

飲み会に参加する主人に腹を立ててしまう。

こんなにも私大変なのに。

ある日、「ねぇ。これ買ってきてくれる?」

主人の母からメッセージが届く。

家に居ても、私はいつでも時間があるわけじゃない。

そんな思いが心の底から湧いてきた。

(もう嫌だ。)

全て投げ出したい気持だった。

私は椅子の上で泣き出しそうだった。

「ママ。ママ。」

小さな体で一生懸命歩いてくる我が子。

やっとの思いで、飛びつくように私へたどり着く。

きゃはは。という笑い声。

私にとっての小さな天使。

 

「ママ。だいじょうぶだよ。」

 

さっきとは違う思いで、私は泣いた。