popoのブログ

超短編(ショートショート)

大きな木がある。

 

ぼくの町には大きな木がある。

樹齢何百年という木らしい。

この木を見るために遠くから

いっぱい人が集まってくる。

もの心ついたころには

当たり前のようにあった木。

 

「この木は私たち人間とは違った速度で

 少しずつ。少しずつ。でも確実に

 ゆっくりと静かに育んでいる。」

 

その言葉を耳にしたときから

僕はこの木に対する想いが変わった。

 

自然界で生きる大変さ。

でも雄大で、力強く

どことなしか、

僕たちを守ってくれている。

そんな気がする。

 

僕はたまに、この木を眺めに来た。

静かな時間が流れる。

目を閉じ、大きく深呼吸をする。

僕の心は浄化されたように

落ち着き。新たな活力が生まれる。

 

きっとこれが

この木のチカラなんだろう。

そう思うようになった。

 

僕はまだ子供だ。

だけど今は、多く訪れるみんなに

この木の素晴らしさを伝えている。

 

僕の住むこの街には

そんな魅力的な場所がある。