popoのブログ

超短編(ショートショート)

友情のレール

古くからある懐かしい遊園地。

そこに最新の技術が駆使されたジェットコースターが出来た。

その情報を得た私は友達と計画を立てる。

 

そして夏休み。

私たちは約束を果たすべく遊園地に向かった。

入園すると真っ白で大きなジェットコースターが早速お出迎え。

それを見た私は、ちょっぴり顔が青ざめる。

 

「うわぁ。楽しそう!」

そう言って隣で叫ぶ友達を前に、

今更後には引けない。

 

並んでいる間も、私の不安は大きくなる。

 

あと少しで順番という時だった。

「一緒だから、大丈夫だよ。」

友達は微笑み、私の手をそっと握りしめた。

私は、ちょっとした安心感が生まれた。

 

プルルル!

 

「いってらっしゃ~い!」

 

お姉さんが手を振って送り出す。

私の心臓はバクバクと激しく鼓動している。

 

「ねぇ!やばい!やばい!」

そう言って笑顔の友達。

 

ジェットコースターは、

ガタン。ガタン。と上っていく。

 

私は強く目をつむった。

そしてついに…

 

きゃぁぁぁあああ!!

 

急降下。急加速。そのループが繰り返される。

 

「ねぇ!目を開けてみて!」

友達の言葉にそっと目を開ける。

 

そこには、ものすごく高いところから

海が一望できる絶景が待っていた。

 

「うわぁ。すごい…」

 

と思ったのも束の間。

 

きゃぁぁぁあああ!!

 

再びジェットコースターは急降下。

 

「おかえりなさ~い。」

 

こうして私の絶叫の旅は終わった。

「はあ。はあ。もうほんと疲れちゃった。」

「ええっ?楽しかったじゃん!」

「こわいって。」

「あっ!そうだこれこれ!」

 

その指の先にはモニターがあり、

目をつぶって、大きく口を開ける、

おとぼけな私が映っていた。

 

「もう!なにこれ!恥ずかしい!」

 

「まじ不細工すぎるんだけど!」

 

「最高じゃん!さぁ次行こ!」

 

私たちはそれからも、

他のアトラクションを楽しんだり、

食事をしたりして、一日を満喫した。

 

夕暮れ時、遊園地を後にする私たち。

 

「楽しかったね。」

「うん!ほんと楽しかった!」

 

結局、私は爽快感と満足感でいっぱいだった。