都内の高級デパートで働く、敏腕販売員の美咲。
彼女は、顧客の要望に応え、
世界に一つだけの特別なギフトを提案することが得意だった。
ある日、美咲のもとに、ひとりの男性から奇妙な依頼が舞い込む。
それは、亡くなった妻の名前が刻まれた、
特別な時計を作りたいというものだった。
男は、妻からの贈り物で、
妻との思い出が詰まった時計をなくしてしまい
復元したいと訴える。
美咲は、男の切実な願いに心を打たれ、依頼を引き受ける。
しかし、調査を進めるうちに、
この時計には秘密が隠されていることに気づき始める。
美咲は、男から渡された時計の写真をじっと見つめた。
アンティークなデザインの時計には、
確かに亡くなった妻の名前が刻まれていた。
しかし、その文字にはどこか違和感を覚えた。
まるで、後から刻み込まれたかのように。
美咲は、時計の鑑定士に依頼し、
時計の真贋を調べてもらうことにした。
数日後、鑑定士から結果が伝えられる。
「この時計の刻印は、後から入れたものだ。」
美咲は、男にこの事実を告げると、男は動揺を隠せない。
そして、あることを打ち明ける。
「実は、この時計は、妻が私に贈ったものではない。
私が、妻の死後に自分で作らせたものなんだ」
美咲は、男の告白に驚きを隠せない。
なぜ、男はこんなことをしたのか。
その理由を探るため、美咲は男の過去を調べ始める。
そして、ある恐ろしい事実に行き当たる。
男には、もう一人内縁の妻がいたのだ。
そして、その内縁の妻は、現在の妻であるはずの女性を殺害し、
あたかも純愛であったことを装うように、
その時計を偽装していた。
美咲は、男の恐ろしい秘密を知り、警察に相談する。
そして警察は、男と内縁の妻を逮捕し、
事件の真相を解明していく。
名前入りギフトは、二人の男女の愛と裏切り、
そして悲劇の物語を象徴していた。
美咲は、この事件を通して、
ギフトの持つ意味を深く考えさせられたのだった。