popoのブログ

超短編(ショートショート)

即席ラーメン

「よっしゃ、飯だ!」

 

と、満面の笑みを浮かべるのは、大学のサークル仲間の太郎。

彼の部屋に集まったのは、いつも通りのメンバーだ。

浩太はゲーム機のコントローラーを片手に、

徹夜明けの睡魔と戦っている。

祐也は、冷蔵庫からビールを取り出し、グイッと飲み干す。

 

「今日のメニューは?」

 

と、質問したのは、料理担当の純。

いつも通りの、定番の即席ラーメンだ。

しかし、今日のラーメンはいつもと少し違う。

太郎が得意げに袋を取り出す。

 

「これ、新作なんだよ。見たか、この炎の絵!絶対うまいやつ!」

 

パッケージには、赤い炎が燃え盛るデザインが描かれている。

男たちは、期待に胸を膨らませながら、ラーメンを作る。

 

熱湯を注ぎ、待つこと数分。

 

蓋を開けると、湯気が立ち込め、

食欲をそそる香りが部屋中に広がる。

 

「いただきまーす!」

 

と、声を揃えてラーメンをすすり始めた4人。

 

「辛い!」

 

「でも、うまい!」

 

「ビールが進むわ!」

 

ラーメンをすすりながら、

彼らは今日の出来事や、これからのことについて話をする。

大学生活の悩み、好きな子のこと、将来への不安、そして、友情。

 

ラーメンの熱気を帯びた部屋の中で、

彼らの友情はますます深まっていく。

 

「おい、太郎。次の新作が出たら、またみんなで食べような。」

 

「絶対な!」

 

と、太郎は力強く頷く。

 

ラーメンの湯気が上がり、

部屋の中に温かい空気が満ちている。

即席ラーメンを囲んで過ごす時間、

何気ない日常のひとコマが、

彼らにとってかけがえのないものだった。